2017年06月02日
アイデアよもやま話 No.3719 求められる人手不足と雇用のミスマッチ対策!

3月9日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で人手不足と雇用のミスマッチについて取り上げていたのでご紹介します。

 

景気ウォッチャーによるアンケート調査には以下のようなコメントが寄せられています。

1.求人出しても人が来ない

2.より良い条件を求める求職、転職が多い

3.派遣から直接採用へ、正社員化

4.景気は普通だが、求人は増加

5.好条件だが、スキルが合わない

 

上記について、番組コメンテーターで日本総研の理事長、高橋 進さんは、次のようにおっしゃっています。

「景気ウォッチャー調査って、景気だけでなくいろんなことをアンケート調査しているんですが、その中に雇用のアンケート調査もあるんですよ。」

「で、雇用のところを見たんですけど、結構面白いこと出てくるんですよ。」

「(人手不足について、)例えば求人出しても人が来ない、実はこの続きがあって、だから求人止めたっていうんですけどね。」

「(上記の1、3、4は)構造的な人手不足を裏付けていまよおね。」

「ところが一方で、2と5を見ていただきたいんですが、いわゆる人手不足とはちょっと違う別の構造要因が見え始めているなって気がするんですね。」

「これって、ミスマッチですよね。」

「需要と供給があって、だから仕事が増えていくってよく言うんですが、どんどん求人はでるんだけれども、中々職に就けないミスマッチの問題、それから転職やスキルのことを考えると、もっと教育とか職業訓練を受けられるような体制になっていれば、もっとスムーズにマッチングが出来るんだろうと思うんですね。」

「(日本では社会に出た後に職業訓練をする機会が中々ないのではという問いに対して、)欧米だと大学が非常に重要な役割を果たしていて、新卒を送り出すだけではなくて、社会人をまた受け入れてリカレント教育(学校を終え就職した後も、必要に応じて教育を受けること)をしたり、いろんな教育をしてあげて、更にマッチングまでやってるところもあるんですね。」

「日本の大学って、これから生き残るのが厳しいって言われていますけども、大学のあり方をもっと根本的に変えて、社会人がどんどん大学に行って、学び直しをして、そこからまた新しい職に就いていくとかっていう機能を持たせたら随分変わると思うんですけどね。」

「よく労働市場の流動化っていいますけど、流動性を高めるためにも、やっぱりマッチング機能と職業訓練の機能ってすごく重要ではないかなと思いますね。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

そもそも少子高齢化で今後とも拡大していく人手不足が経済成長の足かせになるという労働力における量的な問題、一方でAI(人工知能)などのIT関連を中心とした急速な技術革新に必要な人材の必要性という質的な問題の解決が急務となっています。

そうした中、番組コメンテーターの高橋さんのおっしゃるように、職業訓練とマッチングの機能を充実させていくことはとても重要だと思います。

具体的には、既存の大学や職業訓練校のみならず、企業が自社に必要な人材を有料で育成することを目的とした新たな組織を立ち上げることも考えられます。

並行して、AIやロボットの活用も求められます。

これは、単に人手不足の補完のみならず、こうした活用によって労働者に求められるスキルも変わって来ますから、大学などの教育機関はそうした状況も踏まえた教育内容に移行することも検討する必要性が今後高まって来ると思います。


 
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