2月22日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で教えなくても作業するロボットについて取り上げていたのでご紹介します。
画期的なロボットを開発した東京大学の石川 正俊教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「人間がちゃんと教えて同じ動きを何回もするというのが普通のロボットなんですけど、(自分の開発した)このロボットは教えなくてもいいんです。」
規則正しく動く産業ロボットですが、その動きをさせるためにやること全てをミリ単位以下で教え込ませる必要があります。
ところが、このロボットはその必要が無いというのです。
例えば、線の上で溶接するという指示を出せば、どんなかたちの線でも位置を確認して動いてくれるといいます。
その秘密はカメラにあります。
カメラが線の動きを高速で捉えて同じ動きをします。
カメラがコンピューターと一体化しており、画像処理の演算機能を全て備えているのです。
従来の高速画像処理はかなりの大きさを必要としましたが、ソニーと共同開発したことで小型化出来たのです。
消費電力もわずか0.4ワットと小型になったことで、工場の産業用ロボット以外にも実用化が期待出来ます。
例えば、防犯カメラにこの技術を応用すると、人がいない時にはデータを送らないで人がいる時だけ送るという判断をしてくれるのです。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
最近IoT(モノのインターネット)という言葉をあちこちで見たり聞いたりするようになりました。
これもシステム的に見れば、センサー、インターネット、AI(人工知能)、そしてロボットの組み合わせそのものです。
ですから、これまでセンサーなど単品としての機能に制約されていたものがIoTにより、こうした組み合わせによる複合効果で今回ご紹介した教えなくても作業するロボットなど、様々な用途に合った製品やサービスが可能になるのです。
実際に、自動運転車やドローンなどの開発はどんどん進んでいます。
一方、IoTの普及に伴い、多くの電力が使われるようになります。
ですから、地球温暖化阻止のためのCO2排出量の削減、あるいは化石燃料の枯渇問題の観点から省エネ、あるいは再生可能エネルギーの普及への配慮がこれまで以上に求められるのです。