2月22日(水)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で花粉や臭い対策の新物質について取り上げていたのでご紹介します。
花粉やハウスダクト対策に役立つという新しい物質が登場し、既に12の企業がこの物質を使って新製品を開発しているということが分かりました。
マスクやタオルなど日常的に使う身近な商品に多いというのが特徴です。
2月22日、「ハイドロ銀チタンで未来をつくるプロジェクト」の記者発表会が行われました。
この場で、DR.C医薬株式会社の岡崎 成実社長は次のようにおっしゃっています。
「いかに日本が先進国の中で一番多いと言われているアレルギーを3〜5年かけてどこまでつぶせるかをやってみたいなと。」
ハイドロ銀チタンと呼ばれる触媒を開発したDR.C医薬が呼びかけ、大手スポーツ用品メーカーのミズノやアパレルメーカーのはるやまホールディングスなど総勢12社が集結しました。
各社が今製品化に力を入れているこのハイドロ銀チタン、花粉やカビ、ハウスダクトなどのタンパク質を吸着し、分解することで水分へと変化させるといいます。
3月1日から発売されている「花粉を水に変えるマスク」(税抜き600円)は、繊維状に吸着した花粉を2〜3時間で分解し、吸い込む花粉の量を減らす仕組みといいます。
これにより花粉症の症状の軽減などが期待されています。
更に、ハイドロ銀チタンは人の汗や皮脂などのタンパク質も分解するため、衛生面や臭いの気になるタオルや衣料品などにも活用していこうというのです。
ハイドロ銀チタンをいち早く取り入れたのはタオルメーカーです。
タオル専門店、タオル美術館の店頭に2月22日から商品が並びました。
価格は通常のタオルの2倍近くです。
配合するハイドロ銀チタンの濃度を高くし、花粉対策を謳うものは、価格が更に高くなります。
外出先から帰宅した時に、服に付いた花粉や臭いなどをふき取る使い方も提案しています。
なお、タオルの場合、100回ほど洗っても効果が持続するということです。
こうしたハイドロ銀チタンの効果に、「ハイドロ銀チタンで未来をつくるプロジェクト」の参加企業やタオル専門店の訪問客は大きな期待を寄せています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
今回ご紹介した花粉や臭い対策の新物質、ハイドロ銀チタンですが、この新物質発見のプロセスは、問題解決するにあたりとても参考になります。
そのヒントは、番組で触れているハイドロ銀チタンの以下の特徴にあります。
・花粉やカビ、ハウスダクトなどのタンパク質を吸着し、分解することで水分へと変化させる
・人の汗や皮脂などのタンパク質も分解する
ハイドロ銀チタンの持つ特徴からヒントを得て、その特徴を生かした製品開発につながっているのです。
タンパク質を吸着・分解するという特徴と花粉症対策、および衛生面や臭い対策との結びつきから新製品を生み出しているのです。
こうしたことから、新製品の誕生プロセスには、以下の2つ流れがあると考えられます。
1.需要が期待出来る新製品開発の目標設定 ⇒ 目標達成に必要な素材探し
2.様々な素材の特徴の分析 ⇒ 新製品開発の可能性の追求
上記の1のパターンが一般的ですが、2のパターンには思わぬような新製品誕生につながる可能性が秘められています。
ただし、2のパターンは資金力に余裕がなければ実効性がありません。
一方で、特に先進国においては、“資本主義の終焉”(参照:アイデアよもやま話 No.3565 マイナス金利政策に見る資本主義からの脱却の必要性!)と一部の専門家が指摘しているように、需要の飽和状態に陥っています。
ですから、特に資金力のある大企業においては、ただ過去の成功体験に裏打ちされた既存製品の延長線上で今後のビジネスを見据えるのではなく、2のパターンによる新製品、あるいはサービスの開発に積極的に取り組んでいただきたいと思います。