2017年05月17日
アイデアよもやま話 No.3705 自動車をめぐる新たな動き(2) その3 テスラモーターズがいよいよエネルギー業界に本格参入!

今回も主に電気自動車(EV)を中心に電気自動車をめぐる新たな動きの第2弾として4回にわたってご紹介します。

3回目は、テスラモーターズによるエネルギー業界への本格参入についてです。

 

2月22日付け配信ネットニュース(こちらを参照)でテスラモーターズによるエネルギー業界への本格参入について取り上げていたのでご紹介します。

 

テスラモーターズといえば、アメリカのEV関連ベンチャー企業として世界的に有名ですが、ただのEVメーカーではありません。

イーロン・マスクさん率いる同社は、2年ほど前からエネルギー部門にも参入しているのです。

そして今、それを前面に押し出そうとしています。

同社は2月1日、社名を「Tesla Motors」から「Tesla Inc.」に変える内容の書類をアメリカ証券取引委員会に提出しました。

 

この動きは、Teslaがビジネスモデルを転換しようとしている表れと見られています。

マスクさんは2006年に同社を共同設立しました。

当初は高級スポーツカーのEVメーカーとして生まれましたが、徐々にソーラーパネルや家庭用バッテリーなどのエネルギー製品に移行しています。

11月には、やはりマスク氏が共同設立した「SolarCity」の買収に合意しています。

 

Teslaが昨年10月に発表し、今年中には発売される「solar roof」は、ソーラーエネルギーを回収し、家庭やEVに電力を供給します。

 

先日には、家庭用バッテリー「Powerwall」の第2世代も発表しました。

スーツケース大のそのバッテリーは、太陽およびソーラーグリッドの余剰エネルギーを回収し、後で使えるように貯蔵しておくことが出来ます。

ひと回り大型の家庭用バッテリー「Powerpack」は、主に商用ビルに電力を供給します。

あるいは、同時に複数を用いることで、エネルギー貯蔵発電プラントを構成することも出来ます。

同社は1月末には、カリフォルニア州オンタリオの公共グリッドの一部として、初のエネルギー貯蔵発電プラントを開業しました。

 

これらのバッテリーは主に、1月にネバダ州でリチウムイオン電池の大量生産を開始したばかりのGigafactoryで製造される予定です。

マスクさんによると、工場が完成すれば、単独で2013年の全世界のリチウムイオン電池生産量を超えるそうです。

 

エネルギービジネスへの移行は、降ってわいたものではありません。

ソーラーエネルギーに移行するマスクさんの意図は、2006年の創業当初から同社のサイトに明記されていました。

 

以上、ネットニュースの一部をご紹介してきました。

 

今回ご紹介した記事から社名変更後のテスラの意図が読み取れます。

それは、太陽光発電、バッテリー、EVの組み合わせによる再生可能エネルギーの有効活用による持続可能な社会の実現です。

太陽光で発電し、その電力を一般家庭やオフィスなどで消費し、その余剰電力を一般家庭用バッテリー、あるいはEVのバッテリーに蓄え、夜間など太陽光で発電出来ない時間帯は蓄電されたバッテリーの電力を消費するのです。

そして、究極の狙いは、太陽光、あるいは他の再生可能エネルギーも含めた発電により全ての電力消費量を賄うという持続可能な社会の実現です。

 

さて、ここでちょっと腑に落ちないことがあります。

以前、ある展示会のテスラモーターズ(当時)のブースの説明員から聞いた話では、自社のEVを家庭用電源として利用する意図はないということでした。

しかし、テスラのEVは相対的に大容量バッテリーを搭載しているので、そのバッテリーを家庭用電源として使えるような装置(日産「リーフ」のLeaf to Homeに相当)をEVユーザーに提供すべきだと思うのです。


 
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