2017年05月14日
No.3702 ちょっと一休み その594 『心肺停止について その2 突然死を引き起こす意外な原因!』

古い情報ですが、昨年9月21日(水)放送の「ガッテン!」で心肺停止をテーマに取り上げていました。

そこで、2回にわたって番組の内容をご紹介します。

1回目のNo.3696 ちょっと一休み その593 『心肺停止について その1 心臓とロックの不思議な関係!』では心臓とロックの関係についてご紹介しましたが、2回目は突然死を引き起こす意外な原因についてです。

 

番組では心肺停止により突然死を引き起こす意外な原因を2つ取り上げています。

1つ目は、心臓にこびり付く脂肪です。

心臓はこの心臓脂肪をエネルギーにして動いています。

ですから、普通の人にも心臓脂肪はありますが、問題は付き過ぎてしまった時です。

ちなみに、この心臓脂肪、健康な人では3、4ミリですが、心筋梗塞を引き起こすような人は10ミリ以上にもなっています。

この心臓脂肪が必要以上に分厚くなると、そこから心臓の動脈に細い血管が伸びていきます。

この血管から送られるのが毒です。

この毒が動脈の内部を破壊して、そこに血栓ができて詰まってしまうのです。

こうして起こるのが心筋梗塞で、突然死の危機です。

ちなみに、この心筋梗塞は若い人にも見かける病といいます。

 

では、心臓脂肪が分厚くなる原因ですが、他の内臓脂肪の増加と同じです。

ですから、内臓脂肪の多い人は心臓脂肪が多い傾向があるのです。

そして、ダイエットした場合、心臓脂肪は優先的に落ちるといいます。

しかも、心臓は自分を動かすために脂肪を使わないといけないので、とてもいい方法があります。

それは、いつもより少し多めに心臓を動かすことです。

心臓のエネルギーは脂肪、沢山動かせばその分消費されるというわけです。

徳島大学医学部の佐田 正隆教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「少し息がハアハアする、心拍数が普通より30程度上がるものでいいんじゃないかと思いますね。」

 

では、心拍数を普通より30程度上げるには具体的にはどのような動きがあるかというと、

番組で試した結果ではちょっと早歩き、そして階段昇りというように、息が上がるか上がらないかくらいの運動がありました。

いろんな運動を組み合わせて、細切れでもかまわないので、合計で1日30分くらいの運動で心臓脂肪を減らす効果があるといいます。

 

さて、心肺停止により突然死を引き起こす意外な原因の二つ目は、歯周病菌です。

東京大学大学院医学研究科の鈴木 淳一特任准教授は、歯周病菌が心臓や血管に悪さをしていることを突き止めました。

歯茎から侵入した歯周病菌は全身の血管を巡り、心臓や大動脈にくっつきます。

それが心筋梗塞を起こしたり、大動脈を破裂させたりするというのです。

鈴木先生は、ネズミの血管で実験を行いました。

鈴木先生は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「歯の病気と全身の血管の病気が関係あるということを知っていただきたいということです。」

「それが分かっていただければ、例えば歯磨きをしっかりしようとか、定期的に歯医者さんにかかってメインテナンスしてもらうというふうなことにつながっていくと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

番組を通して、心肺停止による突然死を防止する2つの方法が分かったので以下にまとめてみました。

1.心臓脂肪を減らす方法

・心臓脂肪が必要以上に分厚くなると、そこから心臓の動脈に細い血管が伸びていくこと

・この血管から送られる毒が動脈の内部を破壊し、そこに血栓ができて詰まってしまうこと

・心臓脂肪が分厚くなる原因は他の内臓脂肪の増加と同じであること

・心臓脂肪を落とす身近な方法として、ちょっと早歩きや階段昇りなどいつもより少し多めに心臓を動かす方法があること

2.歯の病気予防法

・歯茎から侵入した歯周病菌は全身の血管を巡り、心臓や大動脈にくっつき、それが心筋梗塞を起こしたり、大動脈を破裂させたりすること

・歯の病気と全身の血管の病気には関係あること

・きちんとした歯磨きや定期的な歯の検査が歯の病気予防になること

 

こうしてみると、日々のちょっとした運動や歯磨きが心筋梗塞の防止に役立つのです。

なので、膨らみ続ける医療費の削減のためにもこうした生活習慣を身に付ける必要がありそうです。

 

それにしても、心臓は自分を動かすために心臓脂肪を使っていること、あるいは歯の病気と全身の血管の病気に関係があるという事実には新鮮な驚きを感じました。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています