4月27日(水)放送の「アサチャン」(TBSテレビ)で画期的ながん発見法を取り上げていたのでご紹介します。
尿たった1滴だけで10種類のがんが発見出来る検査法が発表されました。
実用化は早ければ2年後の2019年ということですが、手軽で安くてしかもがんを判定出来る感度が93.8%という驚きのがん検査法です。
九州大学の広津
崇亮助教授と日立製作所が2019年末の実用化に向け、共同開発を発表した新しいがん検査法、“N−NOSE”です。
検査に用いるのは、体長約1ミリで犬よりも優れた嗅覚を持つ線虫で、がん特有の臭いに集まる習性に注目したのです。
以下は、この最新のがん検査法の3つのポイントです。
1.簡単
・今あるがん検査の中にはマンモグラフィーみたいに痛いとか、内視鏡みたいに痛かったり、時間がかかったりとかいうのも多いが、尿は簡単に、しかもすぐ採れる
・健康診断で提出する尿でもがん検査が可能になるため、通常の健康診断と一緒にがん検査を受けることが出来る
2.低コストで高精度
・現在のがん検査では種類で胃がんなら胃がん検診、乳がんなら乳がん検診とそれぞれ検診を受ける必要があり、しかも費用はその都度かかる
・総合的な検査になると10万円以上になるものもあるが、この尿検査は尿1滴で胃がん、肺がん、大腸がんをはじめ10種類のがんを一度に発見出来、費用は1万円以下と見込まれている
・更にその感度は、腫瘍マーカーの約20%に比べて約93%と非常に高い
・しかもステージ0から4まであるがんの進行度のうちステージ0や1といった早期がんも発見出来るという.
3.検査時間が短いこと
・従来の検査法では、受けてから1ヵ月後に結果が返ってくることが多かったが、新しい検査法では1週間ほどで結果が返ってくると見込まれる
早ければ2019年末には実用化される見込みの新たしいがん検査法、“N−NOSE”、現在は10種類のがんの有無を判別出来ますが、どのがんか特定出来ません。
2022年には、どのがんの種類か特定出来ることを目指しているといいます。
なお、日本のがん検診率は極めて低く、“予防医療の後進国”という言われ方さえされています。
検診率が低い主な理由として、“時間がない”ことが挙げられていますが、今回ご紹介した尿検診が普及すれば、がんが早く見つかり、早く見つかれば早めの治療が出来るので医療費の削減にもつながると番組では期待しています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
そもそも尿たった1滴だけで10種類のがんが発見出来る検査法が実用化間近であることに驚かされます。
また、犬よりも優れた嗅覚を持つ線虫ががん特有の臭いに集まる習性を持っていることを利用したところがとてもアナログ的です。
ここで思い出されるのは、これまで何度となくお伝えしてきた以下の2つの言葉です。
アイデアは存在し、見つけるものである
アイデアは既存の要素の組み合わせである
こうしたことから尿検査法は簡単、低コスト、短期間、更に90%以上という高い判定感度を実現出来るわけです。
是非、どのがんの種類か特定出来るように、出来るだけ早く実現させていただきたいと思います。
更に、日本人の死亡原因は男女とも1位といいますから、日本人の平均寿命、あるいは健康寿命を伸ばすうえで大きく寄与することは明らかです。
日本のがん検診率は極めて低く、“予防医療の後進国”と言われているそうですが、この尿検査法が実用化されれば一気に“予防医療の先進国”になり、海外にも普及させれば世界的に大いに貢献出来ると期待出来ます。