2017年04月27日
アイデアよもやま話 No.3688 AIの活用事例(3) その4 AIが指南するラーメン店!

これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第3弾として今回も4回にわたってご紹介します。

4回目は、AIが指南するラーメン店についてです。

 

AIの活用はラーメン業界にも広がっています。

2月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIが指南するラーメン店について取り上げていたのでご紹介します。

 

都内にあるラーメン店「THANK」では国内で初めてAIを試験的に導入しています。

店内に入ると出迎えてくれたのは店員ではなく小さなロボットです。

お客はあらかじめスマホでニックネームを登録し、顔認証を済ませておくことでAIを使ったサービスを受けることが出来ます。

ロボットに目線を合わせると、以前自分が注文したものと、それを踏まえたうえで新しいサービスの提案もしてくれます。

また、お店が混雑するお昼時、ベテラン店員に代わり、AIがロボットに接客サービスを指示します。

 

更にAIは経営面でもサポートしています。

実はラーメン店は開業して1年以内に閉店する割合が4割と他の外食産業に比べて高いのが現状です。

ちなみに、寿司・焼き肉店では、開業して1年以内に閉店する割合は3割前後といいます。

 

店の年齢別に色分けした注文データを見ると、20代半ばのお客にはまろやかな味のラーメンが人気で、AIはこうしたデータをもとにどういうラーメンを作れば売れるのか、経営者に教えることも出来ます。

 

AIが最適な仕入れや人員配置も指南するこのサービスですが、月額3万円から利用出来ます。

この技術を提供している日本マイクロソフトは、今後AIを使ったビジネスが更に拡大していくと見ています。

日本マイクロソフトの斎藤 泰行さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「居酒屋や会員制のスポーツクラブであるとか、いろいろな業種、業態に展開出来るんじゃないかなと考えています。」

 

こうしたことから、ベテランがいらなくなるということではなくて、新人は育成のために、ベテランはベテランでAIプラスアルファで今までの経験値もプラスされて更に生産性の向上にもつながると番組ではいいます。

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

今回ご紹介したラーメン店の事例では、実際にどのくらい経費削減や売り上げ増があったのか明らかではありません。

しかし、日本マイクロソフトの提供しているサービスの内容から判断する限り、明らかに経費削減や売り上げ増につながると思います。

しかも、それが月額3万円から利用出来るというのはある程度の売り上げのあるお店にとってはとてもありがたいサービスだと思います。

 

日本のサービス業は生産性が低いと以前から言われていますが、こうしたサービスの普及が様々なサービス業界での生産性向上の起爆剤になるのではないかと思われます。

 

さて、一方でラーメン店は開業して1年以内に閉店する割合が4割という数字が気になります。

このような高い数字から、出店にあたりお店の出店場所、あるいはラーメンの味の競争力などの市場調査を低料金で提供してくれる低料金のサービスの必要性を感じます。


 
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