これまでAI(人工知能)関連の動向について何度かお伝えしてきましたが、その第3弾として今回も4回にわたってご紹介します。
1回目は、AIと人との協業による効率化についてです。
最近、人の仕事はいずれAIに取って代わられるのではないかというような話題に関心が寄せられております。
そうした中、2月6日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で羽田空港でのAIによる案内板について取り上げていたのでご紹介します。
お掃除ロボットや案内ロボットなど、新しい技術の実証実験に力を入れている羽田空港で2月6日から新たな案内サービスの実験が始まりました。
AIの力だけでなくあえて人間の力も借りながら提供するというサービスです。
博士と助手という二人のキャラクターがお客の相手をします。
AIはいろいろな言い方によるお客の質問を理解して、音声とフロアマップなどの映像を用いて案内します。
これはベンチャー企業の株式会社ネクストリーマーが開発した、AIを活用した対話システムです。
最大の特徴は、AIと人との協業だといいます。
例えばAIが想定していない質問を受けた場合、AIは答えをはぐらかします。
同じ時刻、オペレーターがいるオフィスでは、かみ合わない対話が2回続いた時点でお客とAIとの対話が“破綻”したと判断し、オペレーターに警告を発する仕組みで、ここからは人が引き継ぎます。
オペレーターが質問の答えを入力していき、それが案内板上に表示されるのです。
簡単な質問はAIで対応し、難しい質問だけ普段は別の業務をしているオペレーターが複数の案内板に対応すればいいので、効率化が図られるといいます。
このAIシステムを開発したネクストリーマーの向井 永浩社長は、こうした需要は銀行の窓口や施設の窓口、あるいはマンション管理など様々な業界にあると見ています。
以上、番組の内容をご紹介してきました。
AIというと、最近はディープラーンイング(深層学習)により、過去の膨大なデータ、すなわちビッグデータやIoT(モノのインターネット)との連携によりいずれ何でも対応してしまうように思いますが、万能ではないのです。
やはりAIで対応出来ないことについては人のサポートが必要なのです。
そうしたAIの限界を前提としてネクストリーマーが開発した、AIを活用した対話システムはとても的を射たシステムだと思います。
こうした人による対応も加味したデータの蓄積により、この対話システムはどんどん人の手を借りなくても済むように進化していくわけです。
しかし、それでも全く人の手を借りなくて済むようなAIは無くならないと思うのです。
なぜならば、人のものの考え方、あるいは暮らしは永遠に変化し続けるからです。
あくまでも主体は人なのです。
AIのために人が存在するのではなく、あくまでもAIは人の暮らしを豊かにするためのツールなのです。