2017年04月20日
アイデアよもやま話 No.3682 “肥満”と“飢餓”を解消する日本発のソーシャルビジネス その2 TFTで次々に生まれる新規事業!

2月2日(木)放送の「カンブリア宮殿」(テレビ東京)で“肥満”と“飢餓”を解消する日本発のソーシャルビジネスについて取り上げていたので3回にわたってご紹介します。

2回目は、TFTで次々に生まれる新規事業についてです。

 

世界的な“飢餓”と“肥満”という食の不均衡を解決するために立ち上がったのが、NPO法人のTFT(TABLE FOR TWO 二人のための食卓)です。

前回は寄付金による開発途上国の学校給食支援におけるTFTの活動についてご紹介しましたが、新規事業が次々に生まれています。

その一つが全国チェーンのスーパー、西友で始まっています。

並べられたカロリーオフの弁当には“対象商品”という文字がありますが、これがTFTへの寄付となる商品なのです。

ただし、寄付金は給食ではなく、開発途上国の菜園づくりに充てられるのです。

このカロリーオフセットプログラムでは弁当や総菜の代金から一部を寄付し、ただ食料を提供するのではなく、自分たちの力で菜園づくりをする方法を支援するのです。

ちなみに今のところは5ヵ国を対象としています。

飢餓を根本から解消しようとする新たな事業です。

TFTによるこうした様々な取り組みについて、TFTの代表、小暮 真久さん(44歳)は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「僕は、社会貢献って自分のためにやっていると思っているんですね。」

「人のためというよりも自分がすごく幸せに感じるからやっていて、だからこそ続けられると思うんですけど、すごく感謝されますし、そこにすごい変化が今起きて来ているので飽きる暇なく、今までは続けてこれてるなという気がします。」

「型がないですし、自由に出来るところがすごく自分に合っているなと思います。」

 

「「えらいな」とか「すごいな」と思われたら社会貢献にとって実は負けで、そう思うとみんな参加してくれないんですね。」

「自分も偉い人じゃないと社会貢献は出来ないんだろうと皆さん思われてしまっていて、その壁をとにかく取っ払っていろんな人に参加して欲しい。」

「だから僕らが自然体でやって、学生時代のやんちゃな奴(自分)がやっててもいろんな人がいてもいいんじゃないかなっていうのは僕たちが思っていることですね。」

「(メインインタビューアーの村上 龍さんによる、現在のTFTへの寄付金総額が1億3600億円に対し、100億円を目指して続けて欲しいという願いに対して、)頑張ります。」

 

その100億円に近づくために、小暮さんはまた新たな手を打ちました。

TFTが新たに進出したのがゴルフです。

バーディを取ったゴルファーがスマホでスコアを管理するアプリ、「GDOスコア管理アプリ」に入力すると、このアプリの運営会社が1バーディで10円を寄付するシステム、「ゴルフ菜園プロジェクト」です。

これが途上国の菜園づくりに充てられます。

このスマホを使ったアプリの取り組みにより、始めて1年足らずで約800万円の寄付が集まりました。

このシステムに登録しているある男性ゴルファーは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「バーディを取れたところで我々全く気付かないところで寄付出来るのは、非常にいい取り組みなんだなと思います。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

寄付金により単に学校給食を支援するのではなく、開発途上国の人たちが自分たちの力で菜園づくりをする方法を支援するというのは、開発途上国の人たちが先進国の支援を受けながらも自らの力で国づくりを進めていくうえでとても大切なことだと思います。

 

今回はゴルフを通じた寄付金集めについてご紹介しましたが、私たちの暮らしの中の様々な場面で、こうしたちょっとした寄付金集めの仕組みを作ることによって、寄付をする側はほとんど負担を感じることなく、気軽に寄付をすることが出来ます。

ですから、TFTの基本的な考え方、すなわち寄付する側も寄付される側も互いにメリットがあるという枠組みで事業を展開していけば、世界規模で様々な問題解決につなげられると大いに期待出来ると思われます。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています