先日、自身の誕生日を迎えて間もなく私の母は89歳で亡くなりました。
そこで母の死に際し、今の私の気持ちについて6回にわたってお伝えしたいと思います。
皆さんが身近な方を亡くされた際、気持ちの整理がつかない時、あるいは大変な落ち込みに悩まされた時に、少しでも助けになればと思います。
3回目は、母の教えから得た教訓についてです。
母は私の実家の長女として生を受け、幼少の頃から家を守るようにと躾けられてきたという話を私たち兄弟によくしておりました。
また、長男である私には家を継いでしっかり守るようにとよく聞かされてきました。
若い頃の私は、家を守るということの意味をあまり深く考えることはありませんでした。
また、家を守るというと、特に核家族化の進んだ都会の若い人たちにとっては古臭い響きがあると思います。
しかし、年とともに家を守るということの根底にあるものについて私なりにいろいろと考えるようになりました。
そして両親をはじめ、何世代にもわたっての先祖の様々な営みの積み重ねの延長線上に今の自分は存在しているのだと最近思い始めました。
そして、先祖に対する感謝の念を、あるいは敬愛の念を強く持つようになりました。
これは何も私の実家に対してのみではなく、また周辺の方々だけではなく広くは日本のみならず、何らかのかたちで係わる世界中の、言わば人類という枠においてのことです。
そして、今を生きている私たちにはしっかりとその営みを引き継ぎ、次の世代に引き継ぐ責任があるという想いに至りました。
もし、こうした想いを宗教の違いに限らず世界中の人たちが持つようになれば、争いや戦争は無くなると思います。
こうして、いつの頃からか私は毎日のように自宅近くの公園でしばらく太極拳をした後、朝日を拝みながら世界中の人たちの幸せ、そして両親がいつまでも健康でいられるように祈るようになりました。