2017年02月13日
アイデアよもやま話 No.3625 地球温暖化を”でっち上げ”と無視するトランプ大統領への対応策!

今や連日のようにアメリカのトランプ大統領の発言に世界中が右往左往しているような状況です。

そうした中、1月19日(木)放送の「クローズアップ現代+」(NHK総合テレビ)で連日のツイッターによるトランプ大統領の“過激発言”の真意について取り上げていました。

今回は、その中から地球温暖化問題に焦点を当ててご紹介します。

 

トランプ大統領は大統領選前の2016年7月30日付けのツイッターで「エネルギー政策を転換して大規模な雇用を生み出す」と発信していました。

こうした発言に対して今、アメリカのエネルギー産業は雇用拡大への期待が高まっています。

 

原油や天然ガスの採掘が盛んなニューメキシコ州のあるエネルギー関連企業では、環境保護を重視したオバマ政権が採掘に規制を課したこともあり、井戸の数を3割減らしました。

この会社の役員であるジョージ・シャープさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「規制が厳しくなっていて大変です。」

 

しかし、トランプ大統領がその規制を緩和しようとしていることを受けて、新たな井戸の採掘に乗り出そうとしています。

シャープさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「エネルギー産業に理解があるトランプ新大統領に期待しています。」

「もっと原油や天然ガスを採掘する井戸を増やし、ビジネスを拡大出来ると思っています。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

 

次に、ネット検索した関連情報を以下にご紹介します。

トランプ大統領は大統領選期間中の別なツイッターでは地球温暖化を「でっち上げ(hoax)」と斬り捨てていました。

そして、既に締結済みのパリ協定に対しては離脱の意向を示しています。

しかし、トランプ大統領の任期に当たる4年間はパリ協定から離脱出来ません。

パリ協定はひとたび発効すると、3年間、締結国は脱退を国連に通告出来ず、通告後も1年脱退できない規定だからです。

 

いずれにしても、オバマ政権が進めた、石炭火力を狙い撃ちする既存火力発電所のCO2排出規制「クリーンパワープラン」とは真っ向から対立します。

そうなれば、CO2の削減も危うくなり、オバマ政権が国際公約した2025年に温室効果ガス排出量を2005年比で26〜28%削減する目標は棚上げになると見込まれます。

 

以上、ネット検索した関連情報をご紹介してきました。

 

トランプ政権はオバマ政権時代の理念ベースの政策から実益重視の政策へと大きく舵を切ったと言えます。

トランプ大統領は、反グローバル化、保護主義を掲げて世界経済を縮小に向かわせるだけでなく、地球温暖化問題においても「でっち上げ」と切り捨ててCO2排出量の削減よりもエネルギー産業における雇用拡大を優先させようとしているのです。

 

このようなトランプ政権による政策転換は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)を中心とした多くの専門家によるこれまでの取り組みやパリ協定の成果など、これまでの国際的な地球温暖化問題への取り組みに反するような政策を政権誕生とともに公約通り早速打ち出しました。

 

ここで問題と感じるのは、トランプさんはアメリカの有権者のほぼ半数の支持により大統領選に勝利したということです。

要するに、多くのアメリカ国民は地球温暖化問題への取り組みよりも経済優先、雇用優先を望んでいるということです。

ですから、トランプ大統領はこうしたアメリカ国民の声にうまく応える政策を選挙公約に掲げて当選したのです。

別な言い方をすれば、1月30日から5回にわたってお伝えしたようにそれほどアメリカは国民の不満が爆発するほど格差社会化が進んでいるということです。

 

そして、気になるのはこうしたトランプ政権によるオバマ政権からの政策転換の流れがヨーロッパ諸国にも伝搬しつつあるという状況です。

 

では、こうした状況を正常な方向に軌道修正するためにはどんな対応策が必要でしょうか。

以下に私の考える地球温暖化を”でっち上げ”と無視するトランプ大統領への対応策をまとめてみました。

・地球温暖化問題におけるアメリカ国内の専門家は、これまで以上に啓もう活動を積極的に進めること

・地球温暖化問題に関心のあるアメリカの国民や企業などが一致団結してトランプ政権の政策への反対を表明し、それぞれの立場でこれまで以上に取り組むこと

・世界各国は、地球温暖化をもたらしているCO2排出量の削減をこれまで以上に加速させるために、化石燃料よりも低価格の再生可能エネルギーの開発に真剣に取り組み、早急に“脱化石燃料”へのシフトを測ること

 

煎じ詰めれば、経済合理性に敏感なトランプ大統領に経済合理性を前面に出して有無を言わさずに本来の方向へと転換させる戦略です。

ですから、今世界的に漂っている危機感を逆手に取って世界中の潜在的なパワーを集中的に投入して低価格の再生可能エネルギーの実用化こそ今最も必要なのです。

現状のように、CO2排出量で中国に次いで世界第二位のアメリカがCO2排出量削減に取り組まなければ地球温暖化の解決は出来ないのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています