2017年01月19日
アイデアよもやま話 No.3604 自動車をめぐる新たな動き 番外編 EVの非接触充電が2019年にも実用化!

前回まで8回にわたって自動車をめぐる新たな動きをテーマにバッテリー、政府の政策、自動運転、未来の自動車のかたち、そして3Dプリンターで自動車が造れる時代の到来に焦点を当ててご紹介してきました。

そうしたところ、1月17日付け読売新聞の朝刊で「つながずにEV充電」というタイトル記事が目に飛び込んできたので急きょ番外編としてご紹介します。

 

これまでアイデアよもやま話 No.1688 電気自動車(EV)普及のカギ!などでEVの非接触充電についてお伝えしてきましたが、それがいよいよ2019年にも株式会社IHIにより実用化されるというのです。

 

EVの充電は現在、一般的なバッテリー容量30kwhの場合、一般家庭に備えた普通充電器で10時間程度かけて受電するか、急速充電器を利用して数10分かけて充電します。

いずれも充電器とケーブルをつなぐ方式です。

これに対して、非接触充電は、電気を送る側と受け取る側が離れていても効率よく電気を供給出来る「磁界共鳴方式」を用います。

畳半分程度の大きさの充電器を地面に埋め込み、特殊な電流を発生させると自動車側に取り付けた受信装置の回路にも電流が流れて充電される仕組みです。

 

IHIがアメリカ企業、ワイトリシティ・コーポレーションと共同開発中のシステムは、充電時間が普通充電と同程度で、自動車を長時間駐車する車庫などでの利用を想定しています。

なお、IHIはトヨタ自動車とも技術提携しています。

非接触充電を巡っては、フォルクスワーゲンや日産自動車なども研究を進めています。

 

EVは1回の充電での走行距離が比較的短いなどの課題がありますが、充電の使い勝手が改善されれば、更なる普及の後押しとなりそうです。

 

以上、記事の内容をご紹介してきました。

 

アイデアよもやま話 No.3597 自動車をめぐる新たな動き その3 次世代バッテリーは長持ちで安全!でバッテリーの長寿命化、小型化、安全性の向上、低価格化が進むとともにEVにはフル充電での航続距離の延び、充電回数の減少、低価格化が期待出来るとお伝えしました。

ここであらためてEVを充電する際の課題について以下にまとめてみました。

1.急速充電器の設置台数が少ない

2.急速充電時間がガソリン給油時に比べて30分以上とかなりかかり、今後ともバッテリー容量の増加とともに充電時間も更に増える

3.ケーブルをつなぐ手間がかかる(特に急速充電器の場合は、その方式がいくつかあり、慣れるまでは手間取ることがある)

 

今回ご紹介したIHIによる非接触充電システムは課題2の中でも普通充電のケースの対応策なのです。

ということで、EVの充電時の利便性を高めるためには、短期的には急速充電器の設置台数の更なる増加、中期的には充電時間の短縮、そして長期的には急速充電時の非接触充電の対応が求められるのです。

更に道路の下に非接触充電システムを埋め込み、走行しながら充電出来るような状況が充電システムの行き着く先ではないでしょうか。
こうした状況では、現行のような充電設備はほとんど不要になり、また搭載するバッテリーの容量もそれほど多くなくて済むようになるのです。


 
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