2017年01月06日
アイデアよもやま話 No.3593 世界的に期待される夢のエネルギー「試験管の中の太陽」!

11月9日付けのネットニュース(日経BPクリーンテック研究所発信)で夢のエネルギー「試験管の中の太陽」について取り上げていたのでご紹介します。

 

30年近く前に世界的に脚光を浴びつつ、いまだ日の目を見ない夢のエネルギー技術があります。

「凝縮系核反応」で、常温核融合とも呼ばれています。

常温から数百℃程度の環境で核融合を起こし、その際に発生する膨大なエネルギーを利用するという技術で、実現すれば長期間にわたって自律的に熱を発し続けるエネルギー源が手に入ることになります。

 

凝縮系核反応は、金属内のように原子や電子が多数、集積した状態で、元素が変換する現象です。

核融合によって放出される膨大なエネルギーを持続的に得ることができ、「試験管の中の太陽」とも呼ばれました。

基本的には水の電気分解と同じような簡単な装置で核融合を実現できるとされ、実用化できれば、今の社会のエネルギー事情が大きく変わる可能性を秘めています。

極端な例を挙げれば、燃料補給なしで走り続ける自動車が実現可能になります。

 

常温核融合の始まりは1989年3月、ユタ大学(アメリカ)で、2人の研究者が化学反応では説明出来ない「過剰熱」を観測したと発表し、世界的に脚光を浴びました。

日の目を見ていない理由として大きいのは、主要研究機関が否定的な姿勢をとったことです。

ユタ大学での報告を受け、各国で一斉に追試が行われたものの、米欧の主要研究機関は1989年末までに否定的な見解を発表しました。

日本でも経済産業省が立ち上げた検証プロジェクトの報告書で、1993年に「過剰熱を実証出来ない」との見解を示しました。

 

ただ可能性を信じる一部の研究者たちは、その後も研究を継続し、再現に成功する例が見られるようになってきました。

2010年頃からは、アメリカやイタリア、イスラエルなどに、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が次々と生まれています。

日本では凝縮系核反応、アメリカでは「低エネルギー核反応」という呼び名で、再評価する動きが出てきています。

 

以上、ネットニュースの内容の一部をご紹介してきました。

 

内容からすると「凝縮系核反応」(常温核融合)は実用化されればまさに夢のエネルギーと言えます。

しかし、冒頭でお伝えしたようにこの研究の発表当初には主要研究機関が否定的な見解を示しました。

このような既存の研究機関の反応はいつの時代も世の常であります。

それでも、技術の可能性を信じたごく一部の技術者、あるいはたった一人の技術者が実用化の目途がつくまで諦めずに研究を進めた結果が世の中に変化をもたらしているのです。

「凝縮系核反応」においても再現に成功する例が見られるようになってきたといいます。

そして、エネルギー利用を目的としたベンチャー企業が今も必死に取り組んでいるようです。

こうした中から、今年にでも実現の目途が確認出来るようになれば、世界的なエネルギー問題のみならず地球環境問題の解決の突破口として大いに期待出来ます。


 
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