2016年12月11日
No.3570 ちょっと一休み その572 『一般家庭でのブレーカーの設置率は驚くほど低い!』

No.1986 ちょっと一休み その306 『災害時に注意すべき通電火災』でもお伝えしたように、首都直下地震の危険性について内閣府中央防災会議によるシミュレーション(東京湾北部地震M7.3)では、建物の全壊・消失85万棟、死者1万1000人で、死亡原因一位は火災の6200人(55%)でした。

また、阪神・淡路大震災の建物火災の出火原因の約6割が通電火災だったといいます。

 

さて、かなり以前に建築されたお宅でもブレーカーが設置されていると思います。

ところが、先日、自宅で4年に1度の電気設備安全点検が行われた時、驚くべきことを検査員の方から聞きました。

なんと神奈川県内の一般家庭(恐らく戸建て住宅に特定)のかなりの割合でブレーカーが設置されていないというのです。

この数字は飽くまでも点検員の方がこれまで点検して回ったお宅からの個人的な見解ですが、ブレーカーが設置されていない戸建て住宅がそれほど少なくないことは間違いなさそうです。

ちなみに、その多くは築年数の古いお宅だといいますから、恐らく他の県でも同様の状況、あるいはそれ以上の割合でブレーカーが設置されていないと思われます。

ということは、こうしたブレーカーの設置されていないお宅では地震などの発生でも自動的に停電にならず、電気ストーブの転倒などが原因で火災が発生してしまう危険性があります。

更に、ブレーカーの設置されているお宅でも家族の方々が外に避難している間に発生する通電火災の危険性もあります。

 

このような状況から、地方自治体によっては通電火災対策としてアイデアよもやま話 No.1901 ボールで通電火災防止!でもご紹介した「スイッチ断ボール」のような感電ブレーカーを無償で提供しているところもあるといいます。

 

さて、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震の発生リスクについて以前から研究機関より報告されています。

そればかりでなく、日本各地で大きな被害を伴う地震が次々に発生しています。

また、こうした火災は火災が発生したお宅だけでなく周囲の建物の火災をも引き起こす可能性があります。

 

ということで、地震発生時の火災防止、すなわちブレーカーの未設置による大きな揺れでも停電しないことによる火災や通電火災を防ぐためにブレーカーや感電ブレーカーの設置を国レベルで義務付けることが求められるのです。

更に将来的には、ブレーカー設置の義務化だけでなくアイデアよもやま話 No.2882 進化するワイヤレス給電!でもご紹介したワイヤレス給電が普及すれば、震災時の火災はほとんど撲滅させることが期待出来るのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています