以前、アイデアよもやま話 No.2277 日中の経済関係にみる両国の友好維持の必要性!やプロジェクト管理と日常生活 No.302 『ベタープレイスの破産にみる”依存関係”の考慮不足!』でお伝えしたように、プロジェクト管理においては、プロジェクト開発をよりスムーズに進める上で、他のプロジェクト、あるいは個々の作業の依存関係(Dependencyディペンデンシー)を出来るだけ少なくしておくことが大切です。
例えば、プロジェクトAのとても重要な作業A1を実施するためにはベンダーXさんの特別なスキルのあるX1さんの参加が必要だとします。
そうすると、X1さんが病気などなんらかの都合で作業A1に参加出来ないとプロジェクト開発に支障をきたします。
こうした状況は作業A1とX1さんのスキルには依存関係があるといいます。
これに対して、ベンダーXさんが同じスキルのある代替要員としてX2さんをアサインしておいてくれれば、作業AとX1さんのスキルの依存関係はほとんどなくなります。
一方、プロジェクトAを稼働させるためには別なプロジェクトBの稼働が必要だとします。
こうした場合、プロジェクトAとプロジェクトBは依存関係があるといいます。
そして、プロジェクトAの稼働に際しては、プロジェクトBの進捗状況を注視し、プロジェクトBの稼働がどうしても間に合わない場合に備えてプロジェクトAを稼働させるための手立てをあらかじめ準備しておくか、あるいはプロジェクトAの稼働開始時期をプロジェクトBの稼働開始時期に合わせるなどのコンティンジェンシープランを検討しておくことが必要になります。
このようにプロジェクト開発においては、出来るだけ依存関係を断ち切っておくことが必要なのです。
しかし一方で、他国との戦争勃発リスクを小さくする対応策として最適と考えられるのが相互の依存関係を大きくしておくことです。
具体的には、相互の貿易拡大、技術や経済、文化、観光あるいは留学などあらゆる面を通しての広範囲かつ深いつながりのある関係です。
こうした様々な関係を通して、国民レベルでお互いの信頼感を深めることによって、それぞれの国民が相手国がなくてはならない存在であるという認識を深めるのです。
要するに、相互の大半の国民が相手国に対して高い好感度に達すれば、いくら政府が戦争による問題解決を図ろうとしても多くの国民の反対の声を無視出来ず、戦争に突き進むことは政権を維持するうえで得策ではないと思い至るからです。
現に、南シナ海や東シナ海で横暴な活動をしている漁船などを陰で支えている中国共産党政権でさえ、常に国民の声に耳を傾けながら政権運営をせざるを得ない状況にあるといいます。
ということで、中国との関係を例に取れば、定期的に日中相互の国民の相手国に対する好感度アンケートを実施すれば、日中間の戦争勃発リスクがある程度読めると思います。
ちなみに、日中相互の国民の相手国に対する好感度がともに80%くらいに達していれば、日中関係は安泰と言えると思います。