海に漂う5ミリ以下になった小さなプラスチックゴミ、マイクロプラスチックについては、以前プロジェクト管理と日常生活 No.449 『東京湾の魚の6〜8割がマイクロプラスチックを保有している!?』でもお伝えしました。
そうした中、7月18日(月)放送のニュース(NHK総合テレビ)で海から離れた場所でのプラスチックゴミを減らす取り組みについて取り上げていたのでご紹介します。
マイクロプラスチックは有害物質が付きやすく、生態系に影響を与える恐れが指摘されています。
海を守るために何が出来るのか、海から少し離れた場所でも取り組みが始まっています。
京都の観光地、保津峡では地元の子どもたちがペットボトルなどのゴミを回収しています。
およそ60km先にある大阪湾に流れ出て海が汚れるのを防ぐのが狙いです。
自然界では分解されないプラスチック、紫外線や波などの影響で砕かれた小さなかけら、マイクロプラスチックが今、地球規模の問題になっています。
マイクロプラスチックは石油から出来ているため、油に溶けやすい有害物質のPCBなどが付きやすくなっています。
魚などが餌と間違えると、有害物質を体内に取り込むことになります。
食物連鎖の過程でこれが繰り返されると、有害物質の濃度が高くなり、生態系に影響が出る可能性があるのです。
プラスチックゴミを効率的に減らそうという取り組みも始まっています。
大阪商業大学の原田 禎夫准教授はスマホを使ったアプリを開発しました。
川などで見つけたら、写真とゴミの量、そして位置情報を送信します。
どこにどれくらいプラスチックゴミがあるか一目で分かる仕組みです。
京都府亀岡市でこのアプリを使った結果、地域を流れる3本の川のうち1本にゴミが集中していることが分かり、自治体が集中的に清掃活動を行いました。
自治会による清掃活動に参加した方は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「亀岡のあるお店のレジ袋が大阪湾で見つかっている。」
「支流の上流のゴミを減らさないと、海のゴミは減らない。」
また、海洋汚染を研究している東京農工大学の高田 秀重教授は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「私たち自身が毎日使うプラスチックの管理の仕方を考えなければいけないということで、海に近くても遠くても皆さんに関心を持ってもらいたい問題だと思います。」
以上、番組の内容をご紹介してきました。
「フライパン上のゆでカエル」に例えられるように、プラスチックゴミも徐々に徐々に海に蓄積されていくと食物連鎖に大きな影響をもたらし、取り返しのつかない状態になってしまいます。
ですから、啓蒙活動や今回ご紹介したような活動への取り組みが求められます。
同時に、環境に影響を与えないような石油由来ではない素材を原料にしたプラスチックの開発が早急に求められるのです。