2016年08月26日
アイデアよもやま話 No.3479 生活習慣病防止策として期待出来る穏やかな糖質制限「ロカボ」!

前回、健康なほどメリットのある医療保険についてご紹介しました。

そうした中、6月17日(金)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)で健康に良い穏やかな糖質制限「ロカボ」について取り上げていたのでご紹介します。

 

太り過ぎなど健康面を考えて、食事のたびにカロリーを気にする方も多いと思いますが、今それに代わる考え方が注目されています。

それが「ロカボ」(Low Carbohydrate 低炭水化物)です。

糖質の多い白米やパンなどの主食を減らして、その代わりに糖質の少ない肉や野菜などのおかずを多く食べましょう、という概念なのです。

 

食品メーカーでは「ロカボ」ブームが今後本格的に到来すると見込んで、糖質を抑えた食品を続々と投入しています。

6月17日、「ロカボ」マークに関する発表会が都内で開かれました。

これは低糖質、糖質ゼロなど糖質を抑えた商品が一目で分かるようにした新たなマークです。

「ロカボ」を推奨している北里大学北里研究所病院の山田 悟医師は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「糖質と糖類の違いが分かっていない、本来避ける必要のないものを避けて、生活の質を落としていたりすると、美味しいものを食べながら健康になっていく道筋をつけるためにこのマークが必要になったわけであります。」

 

「(「ロカボ」の効果について、」確実な証明になるところとしては、血糖値、肥満の人の体重の減少効果、そして中性脂肪や善玉コレステロール、脂質異常症の改善・・・」

 

このマークで「ロカボ」商品の更なる普及を狙います。

 

「ロカボ」には、生活習慣病などの予防効果が期待される他、タンパク質や脂質の摂取制限がないという特徴があります。

気軽に健康改善が出来ることから、若い女性や中高年層に支持されています。

こうした消費者の糖質制限への意識の高まりもあり、「糖質オフ・ゼロ」の食品市場は年々拡大しています。

 

こうした中、江崎グリコでは糖質を抑えた冷凍めんの商品化に成功しました。

そもそも小麦粉を主原料にした麺類は糖質を多く含み、低糖質の開発はきわめて難しいといいます。

糖質オフにすると、緬の食感にざらつきやぱさつきがあるので小麦粉100%の緬に近づけるように改良したといいます。

緬の糖質を減らすには食物繊維などを入れて小麦粉の量を少なくします。

こうして、江崎グリコでは、試作を繰り返した結果、今年2月に糖質を40%カットした「野菜たっぷり緬」を発売しました。

江崎グリコでは、2003年から糖質を抑えたアイスを展開していました。

今後、麺類の他に菓子などにもロカボ商品を投入予定といいます。

 

一方、「ロカボ」を社員の健康管理に役立てている会社もあります。

タクシー会社、日の丸交通ではメタボ気味や血糖値が高いドライバー、40人に3ヵ月「ロカボ」を推奨しています。

週に一度、血糖値を測り、実際に取った食事を「ロカボ」普及に取り組む山田医師に報告します。

そして、一人一人に適切なアドバイスがされます。

日の丸交通が昨年から始めたこの取り組み、前回は糖尿病と関係の深い「ヘモグロビンA1c」の値がドライバー15人の平均で0.9ポイント低下し、インシュリン注射と同等の効果がありました。

富田 和孝社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「ドライバーからは「眠気が軽減した」とか、「集中力、判断力が増した」というような声が出てきていましたので、もう1年更新していこうという体制になったと。」

 

なお、世界的にも「ロカボ」商品は注目され始めていますが、その完成度は日本食がとても高いということで輸出産業にもなるのではないかといいます。

番組コメンテーターの大和総研チーフエコノミスト、熊谷 亮丸さんは、次のようにコメントされております。

「今、世界の成人の中で11人に1人が糖尿病なんですね。」

「で、この関連医療費は年間70兆円くらいかかっていると。」

「糖尿病の原因というのは、5%程度が遺伝によるもので95%は生活習慣だと言われていますから、そういう意味では今回の「ロカボ」は非常に有効な処方箋なんですね。」

「例えばですね、糖尿病を予防したり重症化を防止することが出来ると、産業として言えば1兆円規模の産業に育つ可能性があると思います。」

「それから、医療費の抑制ということでみても年間2000億円抑制出来るわけですから、成長戦略であると同時に財政再建という意味でも大きな効果があるということです。」

「(企業にとってのメリットについて、)保険財政が改善しますし、労働生産性が上がれば収益が上がってきますので、国にとっても従業員にとっても企業にとっても全てにメリットがあるということです。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

考えてみれば、古来から日本人はお米を主食としてきました。

しかし、かなり以前からカロリーの取り過ぎによる生活習慣病が指摘されてきました。

それは、お米以外にもいろいろなおかずやおやつを食べるようになったから、あるいはお米の代わりにファーストフードなどでカロリーの高い食べ物を食べるようになったからと言われています。

しかし、食べることは人が生きていく上での本能ですから、食欲を制限されることはストレスになります。

そうした中で、今回ご紹介した「ロカボ」商品は生活習慣病などの予防効果が期待出来る他にタンパク質や脂質の摂取制限がないという特徴がとても理に適っていると思います。

 

また、熊谷さんのおっしゃっているいるように、「ロカボ」商品は成長戦略であると同時に財政再建という意味でも大きな効果が期待出来るのですから、関連企業のみならず国の政策としても積極的に取り組んでいただきたいと思います。


 
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