2016年08月01日
アイデアよもやま話 No.3457 最貧困層 過去25年で半減の一方で・・・

今や世界的な格差社会の進行が大きな問題になっています

そうした中、5月9日(水)付け読売新聞の朝刊で「最貧困層 過去25年で半減」という一面記事を目にしたのでその一部をご紹介します。

なお、この記事の執筆者は東京大学の山中 明彦教授です。

 

世界的にみた貧困人口は減少しているといいます、

国際的には、1日1.25ドル未満で暮らす人々が極度の貧困状態にあると言われていますが、この極度の貧困層は1990年には全世界で19億人に上っていました。

ところが、昨年には8億3600万人にまで減少したというのです。

この間、世界人口は約53億人から約73億人に増加しているので、極度の貧困人口の比率は相当低下したことが分かります。

以前は世界中の3人に1人以上が極度の貧困だったのに対して、現在は9人に1人程度に減少しています。

 

かつて、富める国々は増々富み、貧しい国々は増々貧しくなり、南北問題にはなかなか解決の目処が立たないと言われていました。

そうした中、21世紀を契機に国連でミレニアム開発目標(MDGS)が設定されました。

8つの目標と21のターゲット項目が設定され、2015年を目標達成年としました。

第一のターゲットは、まさに極度の貧困人口の割合の減少でしたが、これは2010年には達成され、過去25年で半減したのです。

 

こうした成果により、国際社会として更なる取り組みをしようという機運が盛り上がりました。

その結果、昨年9月、今後15年間で途上国のみならず先進国も含めた国際社会全体として達成すべき開発目標として「持続可能な開発目標」(SDGS)が、国連総会で全会一致で合意されました。

 

ところが、残念ながら昨年12月28日(日)放送の「NHKスペシャル」(タイトル:子どもの未来を救え)によると日本の現状は以下の通りです。

・子どもの相対的貧困率(*)(OECD(経済協力開発機構)の基準による)は16.3%(2012年)で年々悪化傾向にあり、OECDに加盟する20ヵ国の中でも4番目に高い

  * 相対的貧困率:標準的な所得の50%未満の世帯の割合

・国は、子どもの6人に1人がOECDが基準とする貧困ライン(*)を下回る暮らしであるとしている

 * 貧困ライン:3人世帯で211万円(1人世帯で122万円)

・貧困ラインを下回る家庭では、学ぶ・遊ぶ・医療を受けるなど、子どもにとって当たり前の生活が難しくなると言われている

 

ということで、国際社会としては国連を中心に貧困対策のみならず様々な面での問題解決が図られつつあり、その効果も出ているようです。

しかし、日本国内では貧困問題が年々悪化傾向にあるようです。

ですから、現政権には、経済成長のみならず、貧困問題や格差問題についても具体的な目標を掲げ、格差社会の是正に取り組んでいただきたいと思います。


 
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