2016年07月19日
アイデアよもやま話 No.3446 ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさんに学ぶべきこと その2 相次ぐISなどによるテロ攻撃!

これまで何度となくお伝えしてきたように、私たち人類は自らの豊かさの飽くなき追求を目指してきており、特に産業革命以降は地球上の様々な資源を大量に消費し、環境破壊をしてきました。

また、近年IS(イスラム国)などによるテロ襲撃により、世界各国で罪のない多くの人たちの命が奪われています。

そうした中、ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさん(80歳)の4月の初来日に伴い、ホセ・ムヒカさんの考え方について様々に報道されていました。

そこで3回にわたってムヒカさんの考え方について、5月7日(土)付け読売新聞の夕刊記事を通してご紹介します。

2回目は、相次ぐISなどによるテロ攻撃についてです。

 

相次ぐISなどによるテロ攻撃について、ムヒカさんは以下のように指摘されております。

「深刻な疫病で、狂信、熱狂から生まれている。宗教は議論するものではなく、心で感じるもの。理性とは別のところに存在するため、感情的な方向に走る。ヨーロッパでのイスラム教徒に対する恐怖が、仕事などでの差別につながり、差別を受けた若いイスラム教徒の中から、狂信的なグループに加わる者が出ている。」

 

そもそも日本国憲法でも信教の自由が保障されているように、誰がどんな宗教の信徒であってもそれによって何らかの差別を受けることがあってはなりません。

また、プロジェクト管理と日常生活 No.437 『人類が直面しつつある究極のリスク』などでこれまで何度となく繰り返しお伝えしてきたように、格差社会は社会不安の大きな原因になります。

 

ですから、宗教に限らず何らかの差別、あるいは極端な収入格差といったことが、差別を受けた人や貧困にあえぐ人たちの心をテロ活動へとかき立てる大きな要因となっていく危険性をはらんでいるのです。

そして、今や収入の格差は世界的に大きな潮流となっています。

 

ということで、ISなどによるテロ活動そのものに目を奪われるのではなく、信教の自由、あるいは格差社会の是正という根本的な社会問題を解決する方向で世界各国が協力して進むことが求められるのです。

このまま格差社会が進めば、いずれ世界的に格差を受ける側の人たちが格差是正に向けた行動を起こし、ISなどのテロとも連動して世界的な社会不安をもたらしかねません。


 
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