2016年07月18日
アイデアよもやま話 No.3445 ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさんに学ぶべきこと その1 「ほどほど」精神の大切さ!

これまで何度となくお伝えしてきたように、私たち人類は自らの豊かさの飽くなき追求を目指してきており、特に産業革命以降は地球上の様々な資源を大量に消費し、環境破壊をしてきました。

また、近年IS(イスラム国)などによるテロ襲撃により、世界各国で罪のない多くの人たちの命が奪われています。

そうした中、ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカさん(80歳)の4月の初来日に伴い、ホセ・ムヒカさんの考え方について様々に報道されていました。

そこで3回にわたってムヒカさんの考え方について、5月7日(土)付け読売新聞の夕刊記事を通してご紹介します。

1回目は、「ほどほど」精神の大切さについてです。

                          

「世界で一番貧しい大統領」として知られるホセ・ムヒカさんは、日本に滞在中の記者会見などを通して、際限のない欲望に振り回されず、「ほどほど」の精神を持つことの大切さを訴えています。

 

ムヒカさんが世界的に注目を集めたのは、2012年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた「国連持続可能な開発会議」での演説でした。

世界各国の代表を前に、「より便利で、より豊かで、私たちは幸せになったのか」などと問いかけ、大きな反響を呼びました。

 

また、ムヒカさんは、現代の人々は多くの矛盾をはらむ時代に生きていると考え、次のように発言されております。

「富が増え、技術が発展した時代は、寿命が延びるなど、ある側面では素晴らしいが、軍事費が増え、富めるものと貧しいものの格差が広がった。我々は皆が生きられる資源を持っているのに。」

 

文明が発展する原動力となった資本主義を「美しき悲劇」と評し、「常に何かを買わないと、全てが止まる。ギリシャの古き考えにある「ほどほど」とかけ離れている。自分のエゴを満足させるために世界を破壊するような文化であってはいけない。」と発言されております。

 

以上、記事の内容をご紹介してきましたが、今ほどムヒカさんのおっしゃるように「ほどほど」精神が求められている時代はありません。

私たちの欲望には際限がありません。

何か目の前の欲望が満たされれば、次々と新たな欲望が芽生え、その繰り返しには際限がないのです。

そして、その欲望を満たす原動力となってきた資本主義は継続的な利潤をもたらす消費が大前提です。

ところが、冒頭でもお伝えしたように、18世紀の産業革命以来、人類は地球上の様々な資源を大量に消費し、環境破壊をしてきました。

その結果、化石燃料などの資源の枯渇、および地球温暖化をもたらしつつあります。

ですから、今後とも人類が豊かな暮らしを追い求めていくうえで、これまでの考え方をあらためていくにあたり、「ほどほど」精神を大きな拠り所としていくことが求められるのです。


 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています