2016年07月11日
アイデアよもやま話 No.3436 フル充電で560km走行可能な日産「リーフ」試作車に見るEVの明るい未来!

6月29日(水)に出かけた展示会、「再生可能エネルギー世界フェア2016」(パシフィコ横浜で開催)で、日産「リーフ」の試作車をたまたま見かけました。

その試作車にEV(電気自動車)の明るい未来を感じ取ったのでご紹介します。

 

この試作車、なんとフル充電での航続距離がおよそ560kmというのです。

説明員によると、現行の「リーフ」のバッテリースペースに60kwhという大容量のバッテリーを搭載しており、実際に高速道路を使って長距離ドライブをしたといいます。

また、次回のモデルチェンジでは、以前ご紹介したアメリカのEVメーカー、テスラモーターズの「モデル3」に対抗出来る「リーフ」を市場に投入するニュアンスのことを言われていました。

ですから、恐らく来年の2017年にはフルモデルチェンジの新型「リーフ」が発売されるのではないかと私は勝手に予想しています。

 

その根拠は以下のように3つあります。

・「リーフ」の初期モデル発売からほぼ7年を迎えること

・テスラモーターズの新型モデル「モデル3」の先行予約開始から24時間で20万台ほどの予約があったこと(フル充電での航続距離が340kmで低価格であることから、このような程度の内容のEVであれば、かなりの需要が期待出来ることが明らかになった)

・2017年にその「モデル3」の出荷が始まること

 

さて、冒頭でもお伝えしたように、フル充電での航続距離がおよそ560km、そして搭載するバッテリー容量が60kwhという試作車の仕様に私はEVの明るい未来を感じ取りっています。

現在、私の自宅は太陽光発電、およびオール電化を導入し、2011年に購入した「リーフ」の充電も半分以上は自宅の普通充電で行っています。

そして、7年ほど自宅での発電量や消費電力量のデータを毎月取っておりますが、1年のほとんどは1日当たり30kwh以下の消費電力量で収まっています。

また、1日当たりの走行距離も200kmであれば、私用のみならず一般的なビジネスでの使用にも耐えられるようになります。

ですから、一般的な家庭でこうした「リーフ」を購入した場合、毎晩、深夜時間帯にフル充電し、そのバッテリーの30kwh分を移動手段用として、また残りの30kwh分を昼間の家庭用電源として使用すれば、昼間の電力需要のピークを下げることに貢献出来ます。

 

ということで、仮に次のモデルチェンジで「リーフ」の仕様が今回展示されていた試作車と同様で、価格もいい意味で購入者の期待を裏切るほどの安さのタイプが投入されるようなことがあれば、移動手段として満足出来るだけでなく、昼間の家庭用電源としても利用出来るようになるので、EVの明るい未来が大いに期待出来そうです。

 

ちなみに、以前ご紹介したように、テスラモーターズの「モデルS」の既に市販化されている最上位機種のバッテリー容量は85kwhです。

ですから、「モデルS」は既に今回私のお伝えした要件を満たしているのです。

ところが残念なことに、聴くところによるとテスラモーターズではEVのバッテリーを家庭用電源として活用しようという動きは今のところなさそうです。

 

さて、こうした一方で、EVの普及拡大が進むと、多くのEVの昼間の急速充電により電力需要のピークを押し上げるリスクがあります。

しかし、これに対しては、以下の2つの対策を講じることにより解決が見込まれます。

1.EVの駐車スペースにEVの充電だけでなく、EVのバッテリーから系統電力への給電機能を持たせたスタンドを設置し、給電料金は深夜の充電料金より多少高く設定する

2.昼間の時間帯のEVへの充電料金を高く設定する

                     

なお、EVの普及拡大が進んだ時点では、ほとんどの駐車スペースはEVへの充電、およびEVからの給電の両方の機能を持たせたスタンドが標準的に設置されていることが望ましくなります。

要するに、将来的に明確に自動車は単なる移動手段としてだけでなく“動く電力需給調整装置”としての機能を持つようになるのです。


 
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