2016年06月28日
アイデアよもやま話 No.3428 ソフトバンクの株主総会に出席して感じたこと その2 理想的な経営スタイルとは何か!

先週の6月22日(水)、ささやかな株主としてソフトバンクの株主総会に行ってきました。

この株主総会に出席されるの方々の多くは、毎回孫 正義社長のプレゼンテーションを楽しみにされているようですが、私もその一人です。

そこで、2回にわたって私の感じたことをご紹介します。

2回目は、理想的な経営スタイルとは何かについてです。

 

1回目でもちょっと触れましたが、6月22日付けで孫社長の後継者候補である代表取締役副社長のニケシュ・アローラさんが突如退任され、孫社長が引き続き10年間くらいは経営をリードしていくことになりました。

そこで、あらためて思うのは、カリスマ経営と集団経営のどちらが理想的な経営スタイルかということです。

単純に考えれば、カリスマ経営の方が即断即決で変化に即応したスピーディな経営が出来ます。

一方、カリスマ経営といえども、一人の経営者が全ての状況を把握するにはあまりにも多くの情報があり過ぎます。

また、年齢を重ねるにつれて体力が衰え、時代の価値観についていけなくなるリスクがあります。

更に、カリスマ経営者が突然の病気などで経営から離れざるを得なくなった時に、その後の経営体制が不安定になるリスクもあります。

 

一方、集団経営の観点からすると、多くの人たちを引き付ける魅力やリーダーシップなど一人一人の能力はカリスマ経営者に比べて劣りますが、個々の役割が分散化されることにより、突然誰か一人が欠ける状況になっても影響は少なくて済みます。

 

ですから、孫社長も以前から自分が経営の第一線を退いた後の経営スタイルは集団経営を意識されていて社内に次の社長候補者の育成の場を設けていたのです。

ところが、幸か不幸かグーグルの最高幹部、ニケシュ・アローラさんと出会ってしまい、その卓越した経営能力に孫社長が惚れ込んでしまい、2014年に口説き落として自分の後継者としてソフトバンクに招き入れたのです。

ですから、今回のニケシュ・アローラさんの突然の辞任は、孫社長が技術的特異点((Technological Singularity))を見据えた自分のチャレンジしてみたい新たなフロンティアを見つけてしまったことが誤算であったといえます。

ですから、孫社長は今回の突然の退任について、株主総会の場でも最大の犠牲者はニケシュ・アローラさんであり、大変申し訳なかったと明言されておりました。

 

ということで、偶然の出会いから孫社長はニケシュ・アローラさんを自分の後継者として指名しておりましたが、孫社長も本来は集団経営を目指しているのです。

 

私も危険分散の観点から、一時的にカリスマ経営の時期があっても集団経営こそが理想的な経営スタイルだと思います。

ちなみに、経営に限らず、エネルギーや食糧などの資源の供給元としてもリスク分散の観点から供給元を複数にし、しかもそれぞれの供給元からの供給量もバランスよく調整することが安全保障の観点から現実的な対応として求められるのです。


 
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