2016年05月31日
アイデアよもやま話 No.3404 新たな価値観で時代を切り拓く若者たち その2 雇用環境の劣化に立ち向かい始めた若者たち!

3月17日(木)放送の「クローズアップ現代」(NHK総合テレビ)で、新たな価値観で時代を切り拓く若者たちを取り上げていました。

そこで、5回にわたってご紹介します。

2回目は、雇用環境の劣化に立ち向かい始めた若者たちについてです。

 

若者たちにとって今大きな痛みになっているのが雇用環境の劣化です。

不安定な条件で働く非正規雇用(15〜34歳)は増加し、所得格差や貧困が拡大、過酷な労働によってうつ病や自殺に追い込まれる若者は、この15年で10倍に増えています。

 

若者の労働相談を受けているNPO法人、POSSE(東京都世田谷区)では、賃金の未払いや違法な長時間労働など、これまでブラック企業の実態を明らかにしてきました。

年間の相談件数はおよそ3000件に上ります。

事務局の坂倉 昇平さん(32歳)は、競争や効率を優先する企業の中で孤立した若者たちが助けを求められずにいると危機感を抱いています。

坂倉さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「会社は利益を上げるためであれば、若者を正社員であろうが、非正規であろうが、学生であろうが、使い潰してしまうということが当たり前のようになってしまっている。」

「それがこの10年20年での大きな変化だと思うんですね。」

 

坂倉さんたちは、相談を寄せた若者たちをつなぎ、一緒に労働環境を改善しようと呼びかけて、自分たちの問題を自ら解決していくブラックバイトユニオンを結成しました。

そして今、既存の労働組合では救えなかった若者たちが次々と参加するようになっています。

 

坂倉さんたちは、若者をサポートしながら雇用主と直接交渉し、改善策を引き出しています。

坂倉さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「安心して働き続けることが出来る社会でなければ、若者がこれから社会に対して活躍出来る一番の基礎を失ってしまうと思うんですよね。」

「誰も助けてくれないんだろうなというふうに思っていて、それだったら自分たちで新しい取り組みを作っていくしかない。」

 

以上、番組の内容をご紹介してきました。

以前から、リストラやブラック企業、および消費者を裏切る様々な企業の不祥事の関連記事に接し、その背景として以下のようなことを思い描いていました。

・リーマンショックのような経済環境の悪化

・新興国や途上国との国際競争の激化

・過去の成功体験の枠組みから抜け出せない経営

・企業の存続を優先させた従業員の切り捨て

・従業員の雇用環境の悪化

・企業支援を優先させた労働関連の法律改正による非正規雇用の拡大

 

こうした背景から、結果的に多くの若者たちに様々なかたちでしわ寄せが起きているのです。

うつ病や自殺に追い込まれる若者が、この15年で10倍に増えているという指摘にはとてもショックです。

 

では、こうした問題解決にはどのような対応策が必要なのでしょうか。

以下に私なりの対応策(案)をまとめてみました。

・経営者の意識改革

  果断に競争力のある商品やサービスの開発に取り組むことによる雇用の拡大

・若者たちによる大胆な新規事業の立ち上げ、および国などによるこうした動きへの様々な支援

・ブラックバイトユニオンのような労働組合の拡大による経営側との交渉力の強化

・同一労働同一賃金制度の実施

・各国の国際協調による経済環境の安定化


 
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