5月3日(火)放送の「BS1スペシャル」(NHKBS1)のテーマは「TOSHIKO〜スウィングする日本の心〜」で、今年デビュー70年を迎えるジャズピアニスト、秋吉
敏子さん(86歳)の波乱の人生について、この番組のために特別収録した演奏を交えながら伝えていました。
秋吉さんは26歳で渡米後、人種や女性差別を受けながらも、ジャズと和の要素を融合させ、独自のジャズを開拓されました。
そして、2007年には日本人としてただ一人アメリカジャズ界の最高峰「ジャズマスター」の称号を贈られ、今もニューヨークを舞台に現役で活躍されています。
こうしてこれまで紆余曲折を経て波乱の人生を歩まれてこられた秋吉さんは、番組の中でいくつか珠玉のようなお話をされていました。
そうした中で、今回特にご紹介したいのは次の言葉です。
「自分の可能性は分からないわけですから、自分の可能性がこれだけあるのに、ここ(その可能性よりも低い部分)でもって諦めて、これはやっぱり自分に不親切なんですよ。」
「だから、Be kind to yourself(自分の優しく)と向こう(アメリカ)で言うのは、自分の可能性を見ないといけない。」
「これが自分に対する義務でもあれば、自分に対する親切さ。」
「せっかくこれだけのものを持っているのに、不親切にもこの辺でよしちゃったっていう、これはやっぱり不親切。」
私は“自分の持つ可能性より低いところで諦めるのは自分に不親切”という言葉にとても衝撃を受けました。
この言葉は、人生を前向きに生きる上でのとても励みになる言葉だと思います。
私たちは一人一人持っている能力やその程度は異なります。
でも、私たちは一人一人生まれながらにして、自分の持つ可能性を最大限に発揮することを人生の目標として持っていると解釈することが出来ます。
そして、自分の持っている能力を最大限に発揮しないのは自分にとって不親切であるというのは、一人一人の“個”としての存在の尊厳につながるように思います。