2016年05月13日
アイデアよもやま話 No.3389 新たなリサイクル − 画期的なペット樹脂を分解する細菌!

3月11日(金)放送のニュース(NHK総合テレビ)でペット樹脂を分解する細菌について取り上げていたのでご紹介します。

 

ペットボトルなどの素材、ペット樹脂を分解することが出来る細菌を慶応大学などのグループが発見し、微生物の力を利用したエネルギー消費の少ない新たなリサイクル技術につながる可能性があるとして注目されています。

 

石油から作られるペット樹脂は、ペットボトルや衣類、容器などに幅広く利用されていますが、現在のリサイクル技術では大きな熱エネルギーが必要になることが課題になっています。

そうした中、慶応大学などのグループは、ペット樹脂を分解出来る微生物を探そうと、処分施設で土壌を採取し、そこに住み着いている細菌を詳しく調べました。

その結果、ペット樹脂を分解出来る細菌を発見し、この細菌がペット樹脂を分解するために作り出している酵素も取り出すことに成功しました。

ただ、酵素の力が弱いため、分解のスピードは遅いといいます。

そこで、グループでは今後酵素の力を高める研究を進めることで微生物の力を利用したエネルギー消費の少ない新たなリサイクル技術の開発につなげたいとしています。

 

私たちが日々の暮らしに必要な食料や衣類などの生活物資を生産するためには多くのエネルギーが使われています。

しかし、同時にこうした生活物資のリサイクルにも同様に多くのエネルギーが使われているのです。

ですから、生産技術と同様にリサイクル技術においても持続可能性が求められるのです。

そうした観点から見ると、今回ご紹介したペット樹脂を分解する細菌の発見は持続可能な社会に向けた大きな一歩といえます。

是非、出来るだけ早い実用化に向けて研究を進めていただきたいと思います。

それにして、リサイクルにもいろいろなアイデアがあることに感心させられます。


 
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