2016年05月06日
アイデアよもやま話 No.3383 AIが運転手!?

前回は、タクシー業界の革命児とも言える、スマホを使った新たな配車サービスのウーバーについてご紹介しました。

ところが、更にその先を行くサービスの萌芽とも言える自動運転車を巡るルール作りが進められています。

 

これまでAI(人工知能)による自動運転車の事故責任はどこにあるかという問題に、世界的に関心が寄せられていました。

そうした中、2月11日(木)放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)でAIが運転手であるという見解を伝えていたのでご紹介します。

 

アメリカ運輸省の道路交通安全局がグーグルの自動運転車に搭載されるAIを運転手と見なすのが妥当と見解を示したことが分かりました。

これにより交通事故の責任の所在など法的な問題があるものの、人が運転しない自動車でも公道を走行出来る可能性が出てきました。

今回のアメリカ当局の見解は、今後の自動運転車をめぐるルール作りにも影響を与えそうです。

 

考えてみれば、既に都内の交通機関「ゆりかもめ」などは運転手が運転席におらず、AIによる自動運転で走行されています。

ですから、事故時の責任は明らかにAIです。

しかし、クルマの自動運転車は通行人などのいる一般道を走行するので、安全対策は格段に厳しいレベルが求められます。

それでも、アメリカ当局がAIを運転手と見なす見解を出したということは、グーグルの自動運転車に搭載されているAIがそれだけ進歩していることを示しています。

 

ということで、今回のアメリカ当局による見解は、自動運転車普及のための大きな一歩になると思います。

そして、この見解をもとにAIによる自動運転技術は更なる進化を遂げ、私たちのクルマ生活は一変することになりそうです。

その一環として、ウーバーの弱点とも言える運転手の道路網に関する不十分な知識もロンドンタクシーの運転手と同等、あるいはそれ以上の知識をAIが備えることによりどんな状況下になっても目的地までの最適な道順を案内してくれるようになります。

また、ウーバーの運転手は人ですが、これもAIによる自動運転タクシーに取って代わられるようになります。

ですから、“AIが運転手”というキーワードにより、ウーバーによる新たなタクシーサービスもAIによる自動運転タクシーへと転換されるようになるはずです。

また、AIによる自動運転車がタクシー業界でも解禁になると、多くの企業がITやAIの活用により、タクシー業界への参入が容易になります。

ですから、競争原理が働き、運転手不要による人件費の削減と相まってタクシー運賃は大幅に安くなることが期待出来ます。

こうした動きは止められませんから、一気に自動運転車が普及していけば、タクシー業界のみならず輸送業界全体への影響は計り知れません。


 
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