私はEV(電気自動車)の普及はCO2排出量削減の大きな柱の一つだと思っています。
なぜならば、私たち人間の消費するエネルギーのざっと3分の1は輸送関連と言われているからです。
そこで、あらためてEVの普及に向けて10回にわたって私の思うところについてお伝えします。
前回、エネルギー消費全体の観点から見えてくるEVの普及に伴う必須要件についてお伝えしました。
そして、こうした必須要件を満たす上でのインフラシステムとして一般家庭内のHEMS(Home Energy Management System)、および社会全体をカバーするスマートグリッドがあります。
ところが、ここでも問題があります。
そこで、7回目の今回は、HEMSの標準化の必要性についてお伝えします。
確かに、急速充電においては国内では日本発のCHAdeMO(チャデモ)で規格が統一されていますが、EVやPHV(プラグインハイブリッド車)と一般家庭を結ぶ充電・給電装置では標準化がなされていません。
ましてや、海外メーカーとの間では急速充電についても規格の標準化がなされていない状況です。
このような状況では、あるメーカーのEVやPHVから別なメーカーのEVやPHVに買い替えたくても、新たな充電・給電装置への買い替えが大きなハードルになってしまいます。
ですから、このような状況に陥らないためにはあらかじめ充電・給電装置の標準化が必要なのです。
更に、その先に必要になるのは、EVやPHVの充電・給電だけでなく、余剰電力の売電に伴う系統電力とのインターフェイスも含めた一般家庭内電力の需要・供給を総合的に管理するHEMSの標準化が必要なのです。
また、EVやPHVと一般家庭を結ぶ充電・給電装置、およびHEMSを別個に購入出来るようなインターフェイスの標準化も必要です。
そうでなければ、EVの買い替えのたびごとに何十万円単位の出費が新たに必要になってしまうのです。
なお、こうした標準化は当然のことながら国内のみならず国際標準化が必要です。
そうでなければ、日本の先進技術を世界展開出来ないからです。
ちなみに、以前、究極のHEMSのイメージについて、アイデアよもやま話 No.2265 私のイメージする究極のHEMSとは・・・で私の思うところをお伝えしたことがあります。