私は、EV(電気自動車)の普及はCO2排出量削減の大きな柱の一つだと思っています。
なぜならば、私たち人間の消費するエネルギーのざっと3分の1は輸送関連と言われているからです。
そこで、あらためてEVの普及に向けて10回にわたって私の思うところについてお伝えします。
1回目は、EVの大々的な普及までの過渡的なエコカーのお勧めはPHV(プラグインハイブリッド車)であるということについてです。
これまでお伝えしてきたように、残念ながらEVには以下のような4つの制約があり、世界的に普及が思うように進んでいません。
1.フル充電での航続可能距離の短さ
2.充電時間の長さ(急速充電でも80%の充電に約30分を要す)
3.充電インフラ不足
4.ガソリン車に比べた相対的な価格の高さ
ですから、大々的なEVの普及には、こうした制約の解消が必要です。
確かに、こうした問題解決のために、充電インフラはかなり整備されつつあります。
また、昨年末に発売された日産の新型「リーフ」のフル充電での航続可能距離は約280kmに増えました。
それでも、夏場や冬場のエアコンの消費電力量を考慮すると実際の航続可能距離は200km程度と思われます。
しかも充電には急速充電でも約30分かかってしまいます。
ですから、プライベートで乗る分にはいいですが、時間に厳しい業務用として使うにはかなりの抵抗があります。
また、バッテリー価格の高さが販売価格を押し上げており、まだまだガソリン車に比べて割高です。
そうした中で、国内外自動車メーカーが続々と投入を進めているPHVは将来のEV、あるいは燃料電池車の普及に向けてのつなぎのエコカーとしてとても理に適っていると思います。
中でも、国内でPHVに最も力を入れているのが三菱自動車です。
昨年7月に発売された新型「アウトランダー」は、約4時間のフル充電で充電電力のみで約60km走行可能といいます。
実際の走行では40km前後になると思いますが、それでも普段の買い物などでの走行であれば、ほとんど充電電力のみで足りてしまうはずです。
また、ガソリン車としても走行出来るのですから、長距離ドライブも安心出来ます。
ですから、「アウトランダー」のようなSUVモデルだけでなく、通常の乗用車や業務車のPHVの低価格での市販化が求められます。
ということで、今後ともEV時代への過渡期用としてしばらくの間はPHVがお勧めエコカーになると思うのです。
勿論、並行して従来のガソリン車の燃費性能の向上も取り組むべきであることは言うまでもありません。