2016年03月16日
アイデアよもやま話 No.3339 日本の食料自給率について その1 お寒い現状!

1月14日(木)放送のニュース(NHK総合テレビ)でお米の栄養価を高めたり使い方を広げるユニークなアイデアについて取り上げていました。

そこで、これを機会に日本の食料自給率について2回にわたってお伝えします。

1回目は、ネット検索して得た情報を元に日本の食料自給率のお寒い現状についてのご紹介です。

 

日本の食料自給率(2014年度)は、カロリーベースは前年度と同率で39%、生産額ベースは前年度から1ポイント減少し64%といいます。

農林水産省はカロリーベースの食料自給率50%を目標に様々な政策を打ってきましたが、結局、2014年も39%から引き上げることは出来ず、長期的には低下に歯止めがかかっていないといいます。
1965年に73%あった食料自給率は一貫して下がり続けて2010年以降は39%が続いています。
消費者の食生活がコメ中心の食事から、肉や小麦主体の洋食へと変化していく中で、生産者が需要の変化に適応出来ず、消費者が求めるものを供給出来なかったことが、自給率を下げた大きな原因だとされています。
このため政府は2000年以降、5年ごとに基本計画を作り、現在は50%を目標にして莫大な予算をかけて自給率向上を目指してきました。

 

日本の食料自給率が低いのは、需要の減っているコメを作りすぎるところにあります。

そこで食料自給率50%に向けては、主食用のコメの生産を押さえ、輸入に依存する小麦や大豆、さらに小麦代替のコメ粉や、家畜用のエサ米などを作って、食料自給率を伸ばそうとしていますが、それがなかなか上手くいっていません。

 

例えばコメの新たな需要として期待されたコメ粉ですが、補助金を投入してもコスト的に高く、何よりコメ粉の特性や食感を生かした製品の開発が進んでいないといいます。
また小麦や大豆は、需要はありますが、もともと水田では作りにくい作物です。

効率的に作るには土壌改良が欠かせませんが、その取り組みが十分でなく、新たな品種や技術の普及も進みませんでした。
そして何より自給率を上げるために膨大な補助金を配ったため、補助金をもらうことが目的化して、自給率を上げることに結びつかなかったと農水省では見ています。
審議会では、現場の努力不足だけでなく、もともとの計画自体に無理があったとして、自給率目標を含めて見直す方向といいます。

自給率目標に加え、そもそもの生産基盤の強化を進める方向といいます。
農業従事者は数こそ178万人と大勢いるものの、内訳を見てみると60才以上が134万人と75%を占め、今後農業を担う50才未満の人は、18万人と全体の10%に過ぎません。
食料自給率を高めるのはあくまでも農業者です。

今後私たちの食糧供給を担ってくれる人を育てなければなければ、いくら政策を打っても将来の食料供給力はおぼつきません。
安定した食料供給を実現するためには、これまで以上に若い人たちの新規参入を増やし、同時に企業の農業参入を進めることが必要です。

同時に、品種開発や機械化を進めて生産力を高めることも必要です。

 

ちなみに、同じ先進国であるアメリカやドイツ、フランスの食料自給率は軒並み100%か、それ以上です。

オーストラリアに至っては200%を超えています。

どの国も日本と違って、軒並み自給率を伸ばしています。
そうした国々は農家1戸あたりの耕作面積が、日本の数十倍と広く、アメリカで日本の130倍、オーストラリアは1900倍もあります。

こうした国とではとてもコストでは太刀打ち出来ません。
TPPなど今後、経済連携が進む中で、日本は逆に自給率が低下する恐れも指摘されています。

ということで、日本の食料自給率の現状はお寒いと言わざるを得ません。


 
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