2016年03月14日
アイデアよもやま話 No.3337 自動運転タクシーの実証実験開始!

2月29日(月)放送のニュース(NHK総合テレビ)とワールドビジネスサテライト(テレビ東京)で自動運転タクシーの実証実験開始について取り上げていたのでご紹介します。

 

ドライバーがハンドル操作などをしなくても走行する自動運転車については、今、実用化を目指した開発競争が激しくなっています。

こうした中、ロボットタクシー株式会社は自動運転タクシー(「ロボットタクシー」と命名)の事業化を目指して2月29日から神奈川県の一般道でモニター登録した一般住民を乗せる実証実験を始めました。

ちなみに、ロボットタクシー株式会社は、DeNAのインターネットサービスにおけるノウハウと、ZMPの自動運転に関する技術を連携させることにより、自動運転技術を活用した旅客運送事業の実現を目指していくといいます。

 

ロボットタクシーはスマホのアプリを使ってサービスの実証実験が行われます。

アプリを使い、日時と場所を入力して予約をすれば、その情報を受信したロボットタクシーが指定した場所まで迎えに来てくれるのです。

そして、スーパーまで移動します。

ロボットタクシーにはGPSやカメラ、センサーが取り付けられ、現在の位置や周りの状況を確認し、自動的にハンドルやブレーキを操作します。

センサーなどで得た情報を統合して、人間の頭脳と同じように中にあるコンピューターが物事を判断して車を制御するのです。

 

実験は、ロボット産業を推進する国家戦略特区に指定されている神奈川県藤沢市で始まりました。

実験が行われる地区は最寄りの駅まで歩いて約1時間、買い物などの移動に車は欠かせません。

実際にロボットタクシーに乗った住民は、以下のような感想をされています。

「ちょっと始めは自動というのは少しは不安があったんですけど、思ったより静かだし、乗り心地は悪くありませんでした。」

「急ブレーキ、急発進、そういのは全くなくてスムーズでした。」

 

自動運転タクシーへの期待は、地方のタクシー会社の間でも高まっています。

背景にあるのが、運転手の高齢化や人手不足です。

茨城県つくば市にあるタクシー会社、大曾根タクシーでは運転手が不足し、44台ある車のうち7台が使えない状態です。

塚本 一也社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「純利益をそれだけ食っちゃいますんで、負担は大きいです。」

「広告や求人を出しても面接の希望者も来ないような状況で・・・」

 

タクシーの需要が増える雨の日などに配車を断るケースが増えているということです。

ロボットタクシー株式会社では、2月に茨城県や群馬県などのタクシー会社に声をかけ、自動運転に関する勉強会を企画し、約30社が集まりました。

参加したタクシー会社では、ロボットタクシーの将来性について期待を寄せているようです。

 

自動運転を巡っては、自動車メーカーやIT企業などが開発を加速させています。

このうち、国内では日産自動車が2018年に高速道路で自動的に車線を変更したり、合流したりする技術を、2020年には信号のある一般道でも自動的に走行出来る技術を導入する方針です。

また、トヨタ自動車とホンダも2020年頃に高速道路での実用化を目指しています。

 

今回の実証実験は、3月11日まで行われ、安全面の確認や予約ソフトの使い勝手などを検証したいとしています。

また、今後アプリと車のスムーズな連動を目指すといいます。

ロボットタクシー株式会社の永田 健太郎さんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「少ない車両でも効率的に配車したり、渋滞を理解するとか、お客さんの動向を先回りするとか、そういったものをスマートに出来れば、より低コストで運行サービスが出来ると思っています。」

 

今回の実証実験ではドライバーの乗車が不可欠となっていますが、2020年までにはドライバーが乗車しない完全自動運転によるロボットタクシーの実用化を目指すといいます。

ロボットタクシー株式会社の中島 宏社長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。

「オリンピックの時には東京都内もやりたいですが、最終的には地方の交通弱者の方々を救っていけるようなサービスを実現していければいいなというふうに考えています。」

 

一方で、自動運転の場合は、事故時の責任を誰が負うのか、あるいはドライバーが守るべき安全運転の義務をどのような内容にするのかなど法律上の課題もあります。

このため、警察庁が昨年立ち上げた有識者の委員会が、実用化に備えどのような課題があるかを洗い出して近く報告書を取りまとめる他、来年度には更に具体的な場面を想定した検討を進めていくことにしています。

 

私の実家のある千葉県の外房の町でも、今、市内バスが運行していますが、曜日や時間帯に制限があります。

ですから、利用者にとってはもう少し運行の間隔を短くして欲しいという要望があります。

でも、そうすれば、その分コストがかかってしまいます。

しかも、一方では少子高齢化に伴い、地方の人口減少が進んでいますから、増々こうした要望には応えにくい状況になっていきます。

こうした状況を考えると、今回ご紹介したロボットタクシーは救世主的な存在になると思います。

もし、バスの運賃程度の料金で気軽にロボットタクシーが利用出来れば、どんなに高齢者の方々は助かるようになるかと想像されます。

私の実家でもたまに必要に迫られて両親がタクシーを使っていますが、5km程度の距離で3000円ほどかかってしまうと聞かされます。

これでは、気軽にタクシーを利用するというわけにはいきません。

その点、ロボットタクシーは運行に係る人件費ゼロですから、かなりの低料金が期待出来ます。

しかも、ロボットは原則として24時間365日休まず働いてくれます。

更には、こうした近距離でのタクシーにはEV(電気自動車)の利用はうってつけです。
ですから、CO2排出量削減にも貢献出来ます。

 

ということで、自分の少しでも早くロボットタクシーの実用化を目指して欲しいと思います。


 
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