2016年02月11日
アイデアよもやま話 No.3310 フリッツ・ハーバーにみる科学の二面性 その4 私たちの持つ二面性!

昨年11月24日(火)放送の「フランケンシュタインの誘惑」(NHKBSプレミアム)のテーマは「愛と憎しみの錬金術 毒ガス」で科学の持つ二面性について取り上げていました。

そこで、とても重いテーマですが4回にわたってご紹介します。

1回目は世界的な食糧危機を救った天才科学者、フリッツ・ハーバーの“光”の側面について、2回目は“毒ガス開発の父”と呼ばれるようになった天才科学者、フリッツ・ハーバーの“闇”の側面についてご紹介しました。

そして、3回目は一度開かれた扉を閉じることは出来ないことについてご紹介しました。

4回目は、私たちの持つ二面性についてです。

 

私たちには社会人としての立場と家庭人としての立場などいくつかの点で二面性があります。

そして、それぞれの立場からすると矛盾することがあるので時には悩まされます。

例えば、仕事での残業を優先するか、それともコンサートやデート、あるいは家族との暮らしなどのプライベートを優先するかなどがあります。

そこで、最近注目されているのがワークライフバランスという言葉です。

要するに、矛盾することについてバランスを取った対応をしましょうという考え方です。

今回着目するのは国民としての立場と世界市民としての立場の二面性についてです。

 

前回まで天才科学者、ハーバーの偉業の光と影についてご紹介してきましたが、その中で私たち一人一人に語りかけているとても重い言葉が心にずしんと響いています。

それは、2回目でご紹介したハーバーの次の言葉です。

「科学者は平和時には世界に属するが、戦争時には祖国に所属する。」

「国家の存亡が科学の力にかかっている総力戦においては科学者もまた一人の戦士だ。」

「毒ガスによって戦争を早く終結出来れば、無数の人命を救うことになる。」

 

私も含めて、恐らく世界中の多くの人たちはひとたび戦争が起きてしまえば、自国のために戦うことになってしまうと思います。

しかし、現在のように兵器がとてつもなく進化している状況では、先の大戦のような本格的な戦争が起きれば、戦勝国、敗戦国の区別なく想像を絶するような多くの犠牲者が出てしまうことは明らかです。


 
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