10月18日(日)放送の「情熱大陸」(TBSテレビ)で風船での宇宙撮影を取り上げていたのでご紹介します。
岩谷 圭介さんは、風船にカメラをつけて上空30kmまで飛ばすという方法で個人による宇宙撮影に試行錯誤しながら成功しました。
用意するのは、大きな風船とヘリウムガス、小型カメラとGPSの発信機を入れた発泡スチロールの機体、それに手作りのパラシュートです。
このシステムで初めて撮影に成功したのは3年前でした。
北海道大学で宇宙工学を学んだ岩谷さんは学生時代から特別な機械など何も使わない宇宙撮影に挑み始めました。
方穂はいたってシンプルです。
カメラを付けた風船は高度3万mに達すると気圧の変化に耐えられず破裂します。
カメラは浮力を失いパラシュートで減速しながら落ちてきます。
風船の旅はおよそ2時間、落下地点は風向きなどの気象条件からある程度予測出来ます。
近くまでいけば、後はGPSの信号が頼りでした。
撮影のプロセスよりも回収することの方がずっと厄介だといいます。
岩谷さんは、1986年福島県郡山市の生まれで、子どもの頃から発明家になるのが夢でした。
大学で宇宙工学を学び、就職の道を行く周囲をよそに、大学在学中にアメリカの学生が風船での宇宙撮影に成功した記事を読み、自分でも出来るのではと模索し始めました。
失敗に次ぐ失敗を重ね試行錯誤しながら、少しずつ成功を積み重ね、次第に広告に使用したいという企業が現れ、岩谷さんの実験は生業にもなっていきました。
番組で見るカメラの映像は、単に宇宙の撮影だけでなく、風船を打ち上げた時点から撮られています。
ですから、地上の風景から雲の中を通過する風景、やがて成層圏の広がる風景など、まさに誰もが宇宙飛行士になった気分で映像を楽しむことが出来るのです。
見えない世界を見てみたい、感動を分かち合いたい、岩谷さんは自分の活動を小さな宇宙開発と呼んできました。
新たな挑戦への想いは風船のように膨らみ続けています。
宇宙を撮影するためにはロケットを飛ばすしかないと単純に思いがちですが、カメラを積んだ風船を飛ばすというアナログ的な発想でも撮影出来るのです。
そして、この方法であれば、NASAやJAXAなどの大きな研究機関ではなく個人でも宇宙を撮影出来る、ここにロマンを感じます。
そして、このアイデアはとても素晴らしいと思います。
さて、宇宙を撮影するだけでなく、宇宙を直接観光出来る方法として、これまで何度かご紹介してきたように気球による宇宙旅行や宇宙エレベーターという方法があります。
そして、アイデアよもやま話 No.2830 気球による宇宙観光ツアーが2016年に実現!?でもお伝えしたように、2016年から観光ツアーを行う計画です。
ですから、気球による宇宙観光はすぐ目前なのです。
また、アイデアよもやま話 No.2077 いよいよ2050年には宇宙エレベーターが実現!?でもお伝えしたように、2050年に宇宙エレベーターを実現させる計画が進んでいるといいます。
このように、私たちは今や宇宙観光を目前とする時代に向き合っているのです。
世界中のより多くの人たちが宇宙から地球を眺めることによって、神秘的な地球に対する愛おしさ、更には地球環境を守らなければ、あるいは世界平和を願うという意識を強く持つようになることを私は強く願います。