前回、国内外企業の不正にみる“経営者の心のあり方”の重要性についてお伝えしました。
今回は、特に東芝の不正会計にみるプロセス管理の重要性についてお伝えします。
これまで何度となくプロジェクト管理におけるプロセス管理の重要性についてお伝えしてきました。
その心は、いかに素晴らしい目標を定めても、その成果を達成するためのプロセスに現実的な裏付けがあり、更にその進捗プロセスを適切に管理することなしに目標達成はおぼつかないということです。
このような観点からすると、「チャレンジ」と称して、経営トップが定例会議の席で各事業部門に目標達成や収益改善を過剰に求める利益至上主義の実態も報じられていることからすると、経営トップ自らがプロセスには目をつむり、ひたすら利益獲得に突っ走ったという状況が伺われます。
こうした経営は、プロセス管理を全く無視した無謀なものと言わざるを得ません。
会社経営も多くのプロジェクトから成り立っています。
ですから、是非経営トップの方々にはプロジェクト管理の原則を踏み外さないように自らを律していただきたいと思います。
特に、東芝のような伝統的にも技術的にも素晴らしい日本を代表する企業から、しかも経営トップが関与した不正事件が起きたことはとても残念でなりません。
こうした経営トップの下で地道に働いている多くの従業員の方々のことを思うと、何とも言えない気持ちになってしまいます。