2006年12月06日
No.322 電通『鬼十則』のご紹介!
先日、たまたま本屋で見かけた『電通「鬼十則」』(PHP文庫 植田正也 著)を読み終えたところです。
この本は、「広告の鬼」と恐れられた電通4代目社長、吉田秀雄が昭和26年に社員に対して仕事への心構えを書き留めたものの解説本です。
ここには、広告業界に限らず、仕事の原理・原則がとても分かりやすく書かれていると思いましたのでご紹介します。

電通「鬼十則」

1.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきではない
2.仕事とは、先手先手と働きか掛けていくことで、受け身でやるものではない
3.大きな仕事と取組め! 小さな仕事は己を小さくする
4.難しい仕事を狙え! そして之を成し遂げる所に進歩がある
5.取組んだら放すな! 殺されても放すな! 目的を完遂するまでは
6.周囲を引きずり回せ! 引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地の開きができる
7.計画を持て! 長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、そして正しい努力と希望が生まれる
8.自信を持て! 自信がないから君の仕事には迫力も粘りもそして厚みすらがない
9.頭は常に全回転、八方に気を配って一部の隙もあってはならぬ! サービスとはそのようなものだ
10.摩擦を怖れるな! 摩擦は進歩の母 積極の肥料だ でないと君は卑屈未練になる


いかがでしょうか。
解説も必要ないくらいにストレートに心に深く伝わってきませんか。
この電通「鬼十則」は日本の他の企業ばかりでなく、あのアメリカのゼネラル・エレクトリック社など海外の企業にも人気があるらしく英訳版もあるそうです。

松尾芭蕉の言葉として「不易流行」が伝えられています。
元々は俳句を読む際のこととして言われたようですが、一般的な意味は「世の中には、時代と共に変化していくものと、時代の変化にもかかわらず変わらない原理原則がある」と理解しております。
実は、私は大学生時代に文学の授業ではじめてこの言葉に接しました。
その時になるほどと思い、いまだに心に深く残っております。
電通「鬼十則」はまさに仕事に携わる人たちの心構えの「不易」すなわち原理原則だと思います。
そして、このような心構えで仕事に臨めば、スケールの大きなアイデアも浮かんでくるのではないでしょうか。

 
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