毎週土曜日に放送されている「マツコとマツコ」(日本テレビ)はマツコ・デラックスさんとマツコ・デラックスさんを模したアンドロイド、「マツコロイド」中心の、世界初のアンドロイド・バラエティ番組です。
番組のホームページによると、この番組は日本が世界に誇るアンドロイド技術を駆使して作られた「アンドロイド」を使って、「アンドロイドがいる時代のテレビや世界がどうなるのか?」を考えていく番組といいます。
なお、「マツコロイド」生みの親はロボット工学の第一人者である大阪大学教授の石黒 浩さんです。
「マツコロイド」の表情がかなりリアルでしゃべり方もそれほど違和感を持ちません。
また、毎回「マツコロイド」を使ったいろいろな実験をしているのがとても興味を惹きます。
なので、私は毎週欠かさずにこの番組を観ています。
パソコンに打ち込んだテキストがその通り音声になる機能「AI Talk」を使った進化プロジェクト第1弾ではキャスターデビュー、第2弾ではカーナビ機能の搭載でした。
そして、6月13日の放送では、アンドロイドが漫才のパートナーになり得るのか、「お笑い界の近未来を占う挑戦」をテーマに、芸歴15年の実力派漫才コンビ、ナイツの塙
宣之さんに代わって「マツコロイド」と土屋 伸之さんとのコンビにより、寄席でネタを披露するという新たな挑戦でした。
ちなみに、塙さんは舞台裏で「AI Talk」を操作しての参加です。
そのネタは、漫才の相方がアンドロイドという前提をうまく使った台本によるとても面白い内容で、観客から見事に爆笑を取りました。
また、コンビを組んだ土屋さんは、寄席の後で次のように感想を述べられています、
「お客さんを前に実際やってみたら、途中で何か不思議な感覚が出てきたというか、アンドロイドっていうことを忘れかけた。」
また、今回の実験に関する石黒教授の見解は、アンドロイドが下品な言葉を使っても、人間の言葉より好意的に受け止められるということでした。
相方がアンドロイドという形式がこれまでにない漫才の世界を生み出したのです。
今後ともこの番組が続いていくと、「マツコロイド」もどんどん進化していき、アンドロイドの持ついろいろな可能性が広がっていくと期待出来ます。
ちなみに、8月8日(土曜日)の放送では、音痴な「マツコロイド」がケミストリーの川畑要さんとのデュエットで「ロンリー・チャップリン」、そして鬼奴さんとのデュエットで「I will always love you」に挑戦していました。
この実験では、これまでの「AI
Talk」では自然に歌うことに限界があることが分かりました。
そこで、歌詞や音程を数値化して打ち込み、コンピューターに曲を歌わせる機能、すなわちボーカルプログラミングを「AI
Talk」に導入しました。
こうして、一般視聴者の前で披露したステージで「マツコロイド」とのデュエットは見事に歌いきりました。
アンドロイドもロボットですから、プログラミング次第でプロ歌手でも歌えないようなどんなに速い曲でも、あるいはどんなに高い音程の曲でも歌うことが出来ます。
いずれにしても、今回ご紹介した番組「マツコとマツコ」は4月4日スタートで、ソフトバンクによる人の心を持つ本格的なロボット「ペッパー」の販売開始も今年ですから、今年はアンドロイド元年と言えなくもありません。
近い将来、「マツコロイド」にAI(人工知能)が搭載されるようなことがあれば、更にAIとロボットが融合した新しい世界を私たちはこの番組を通して楽しむことが出来るのです。