2015年08月08日
プロジェクト管理と日常生活No.396 『省エネのキーワードは3Rから5Rに!?』

省エネのキーワードとして、一般的に3R、すなわち「リデュース」(Reduce:減らす)、「リユース」(Reuse:再利用する)、「リサイクル」(Recycle:再資源化する)の3つが上げられています。

ところが、最近たまたま見ていたあるテレビ番組では「リフューズ」(Refuse:断る)を加えて4Rの必要性を提言していました。

これは、例えば買い物の際に不要なポリ袋や割り箸などを断るという行為です。

この際だからと、ネット検索してみたら、更に「リペア」(Repair:修理する)を加えて5Rという場合もあるとありました。

でも「リフューズ」は大きなくくりでみれば、「リデュース」に含めていいと思います。

また、「リペア」についても同様に「リユース」に含めていいと思います。

要するに、「リフューズ」も「リペア」も3Rの具体的な行動の一つと言えるのです。

ですから、やはり省エネのキーワードは単純に「リデュース」、「リユース」、「リサイクル」)の3Rで良いと思います。

 

さて、この機会にあらためて省エネについて考えてみたところ、省エネには製造者とユーザーの2つの観点があることを再認識しました。

一般的に省エネのキーワードはユーザーに対して言われていますが、製造者に対しても同様のことが求められます。

 

そもそもなぜ省エネが必要なのでしょうか。

もし、地球上の資源が無限に存在し、しかもほとんどタダで手に入れば、省エネの必要性はありません。

ところが、私たち人類の消費する地球上の資源には有限であるものが多く、しかも私たちの大量消費が地球環境に大きな負荷を与えていることが分かってきました。

この問題への対応策のキーワードが3Rなのです。

そして、最終的に目指すべきはあらゆる面で“持続可能な社会”の実現なのです。

 

では、本気でこの問題に取り組もうとしたら、どのようなステップを進むべきでしょうか。

プロジェクト管理の基本的な考え方に則れば、まず、どの程度3Rを徹底させたらいいのかを見極める必要があります。

そのためには、具体的に何を対象とするかを決めなければなりません。

それは大きなくくりでいえば、地球環境への負荷度合い、資源の枯渇度合い、経済への影響度合いの3つだと考えます。

次に、この3つの度合いを数値化して、いつまでにどの程度を達成するか全世界の目標を設定します。

次に全ての国ごとの目標値、次に自治体ごと、更には個人、あるいは企業ごとの目標値を設定します。

そして、いつまでに何を達成するかを目標に国ごとに取り組みます。

その際、大切なことが2つあります。

一つ目は、プロセス管理です。

いくら目標を設定してもそれを実現可能とするためのプロセスが明らかでなくては、目標達成は危ういものとなります。

ですから、世界各国がお互いに個々の優れた省エネ技術を持ち寄り、それを世界的に水平展開することが必要です。

キーワードは単なる技術の持ち寄りではなく、あくまでも目標達成出来るような技術です。

二つ目は進捗管理です。

全世界でどの程度の進捗具合かをチェックし、遅れのある国に対しては何らかのテコ入れをします。

 

こうしたサイクルは、まさにPDCA(Plan、Do、Check、Action)なのです。

以前お伝えしたように、地球温暖化問題に取り組む世界的な機関によるCOP20(国連気候変動枠組み条約第20回締結国会議)では今回ご紹介したよう観点からすると取り組み方が不十分だと思います。

これから数年後以降に暮らす世代の人たちのためにも、COPでは是非こうした地球環境、資源、経済の3つの観点から包括的に取り組んでいただきたいと思います。


 
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