プロジェクト管理において、最も進んでいる状況の一つに数値化目標による管理があります。
あらかじめ管理限界を決め、その限界から外れた項目について、その原因を追究し、必要な対策を講じるのです。
この基本的な考え方は、国の政策においても適用出来ます。
いくら政策を国民に訴えても、その目標が数値化されなければ国民にはその目標が妥当なものなのかどうか、よく分かりません。
同様に、目標が具体的に数値化されていなければ、その成果もどの程度達成されたのかどうか国民にはよく分かりません。
そこで、国民にとって非常に分かり易い数値化目標の一つとして、世界ランキングがあります。
先日、参考にすべきニュージーランドについてお伝えしました。
その中で、以下のように日本とニュージーランド(NZ)との世界ランキングの比較について取り上げました。
(参照:アイデアよもやま話 No.3125 参考にすべきニュージーランド その2 子ともや女性、シニア、企業、そして移住者にも優しい国!)
日本 NZ
世界で最も幸せな国(2014年) 19位 3位
一人当りGDP(2014年) 27位 21位
教育に対する公的支出の割合 11位 1位
女性が働きやすい国 25位 1位
ビジネスのし易い国(2014年) 26位 3位
世界起業環境(2014年) 83位 1位
このように、世界ランキングにより他国との比較をしてみると、日本の良さ具合がイメージ出来ます。
話が前後しますが、国民の目からみると、安倍政権の掲げるアベノミクス、3本の矢は飽くまでも手段として位置付けられます。
国民にとって重要なのは、3本の矢の先にある、具体的な日々の暮らしの中でどのような項目を重点的な政策目標として掲げ、それをどの程度良くしてくれるのかということなのです。
そうした“見える化”により、国民は現政権が日々の暮らしに直結する項目の中で、何を重点政策として掲げているのか、そして世界的にみてどの程度良くなるのかが分かるのです。
また、こうした具体的な数値化目標により政策管理をするようになると、例えば女性が働きやすい国ランキング25位を1位にすることを政府が目標として掲げたとします。
そうすると、国民はどのような政策によりこの目標を達成出来るのかという疑問が出てきます。
このように目標を達成するための政策管理がプロセス管理なのです。
どんなに素晴らしい目標を政府が掲げても、それを達成するための具体的な政策が曖昧であれば、目標達成はおぼつかないのです。
そこで、具体的な政策を政府が国民に示せば、国民は政府が目標を達成出来るかどうかの判断がし易くなるのです。
ということで、政府が政策を進めるうえで、まず手始めとして数値化目標の手段として世界ランキングを使い、重点目標(成果物管理)とそれを達成する具体的な政策(プロセス管理)を掲げ、国民にとって分かり易いかたちで国のかじ取りをしていただきたいと思います。
そして、そうした最終目標として、是非、我が国、日本を、世界で最も幸せな国ランキング1位として維持し続ける国になるように官民を挙げて取り組んで欲しいと思います。
こうした日本の取り組みは、日本一国の住みやすさの達成のみならず、世界各国の目指す国として世界的な貢献にもつながるのです。