5月3日(日)放送の「新報道2001」(フジテレビ)でニュージーランドの魅力について取り上げていたので2回にわたってご紹介します。
2回目は、子ともやシニア、移住者に優しい国、ニュージーランドについてです。
お金をかけなくても楽しめる島国、ニュージーランドは、世界で最も幸せな国ランキング(2014年)で、ノルウェー、スイスに次いで第3位です。
ちなみに、日本は19位です。
老後まで幸せがずっと続きます。
こうしたことについて、巨泉さんは次のようにおっしゃっています。
「すごいですね、あそこ(ニュージーランド)は。」
「とにかく、生まれてから大学に行くまで(公立の小中高校は)教育費はタダですからね。」
「シニアにはものすごく優しいですね。」
65歳以上は、公営バス、電車、フェリーの乗車は無料といいます。
更に、ニュージーランドには世界に類を見ない優しいシステムがあるといいます。
病院も介護もタダなのです。
一人当りGDPが世界ランキング21位(2014年)と経済も絶好調です。
ちなみに、日本は27位です。
しかも、国の借金も極めて少なく、財務体質はトリプルAという最高格付けを取得しています。
今、この国の人々が世界中から注目され、試されていることがあります。
ニュージーランド最大の人口を抱える経済都市、オークランドでは街のあちこちに不動産のオークションやSOLDと書かれた看板が掲げられています。
今、オークランドの住宅インフレ率は高く、香港に次いで最も不動産が購入しずらい街になっているといいます。
住宅事情が経済成長を後押ししたニュージーランドのGDP経済成長率(2014年 出典:IMF)は3.24%と、先進国でトップクラスです。
ちなみに、日本はー0.06%でした。
不動産価格上昇のけん引役は、外国からの移住者たちです。
こうした移住者たちは贅沢な暮らしをしているといいます。
移住者も永住権を持つことが出来、10年以上住むとニュージーランド人と同じ待遇を得られるのです。
公立の病院で入院も手術も全てが無料になるのです。
また、移住者でも条件を満たせば出産費は無料といいます。
ニュージーランドは現在、年間約5万人に永住権を与え、手厚く保護をしています。
これにより、多くの有能な人材を引き寄せています。
こうしたことについて、巨泉さんは次のようにおっしゃっています。
「ニュージーランドやオーストラリアは、元の宗主国である大英帝国だったイギリスがそうだからなんですけど、保守、革新みたいな企業向けの政党、労働者向けの政党、企業向けの政党と、うまい具合に代わっていくので、例えば労働党が政権につくと医療費とかものすごく安くなりますよね。」
「労働党の時に労働者を守らないといけないから移民を制限するんですが、次に保守合同になると移民を沢山受け入れるんですよ。」
「選挙に勝つためには、そういう公約を守らないといけないので、それがうまい具合に、作用してきたんじゃないですかね。」
一方、ニュージーランドでは驚きの教育システムが導入されています。
生徒は、自ら勉強したい科目を選び、いつ何の授業を受けるか、自分で時間割を決めています。
なので、生徒はそれぞれ違うことを学んでいます。
自己管理能力を育むためです。
タカプナ小学校のシンディ校長は、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「先生が教えるのを待ち、それに頼るのではなく、自分で学ぶことを大事にしています。」
「ニュージーランドの教師の役割は、生徒が自分で知識を見つけられるように手助けすることです。」
「こういった教育は大人になった時、絶対に役立つはずです。」
また、ホームスクーリングという制度もあります。
学校ではなく、保護者の責任のもと、家庭内で教育を行うシステムです。
学校に通うも通わないも個人の判断、自主性を持った人材こそ国を助けるという考えが根底にあるのです。
世界でも、学校に頼らない教育法は注目されています。
小学校校長のデビッド・プリチャードさんは、番組の中で次のようにおっしゃっています。
「ニュージーランドは日本同様の島国です。」
「しかも、人口が少ない。」
「だから、賢くなる必要があるんです。」
「ワイン1本、羊肉一切れに至るまで質の高いものを作って、世界標準にならなくてはいけないのです。」
「だから、GDPが高くなるのは必然です。」
「それをキープするために政府はクリエイティブな教育を推進しているのです。」
ニュージーランドは、教育に対する公的支出の割合が21.6%と、世界で最も高いといいます。(民間統計会社Statista)
ちなみに、日本は11位の9.1%です。
また、経済紙、エコノミストによると、ニュージーランドは女性が働きやすいランキング第1位です。
ちなみに、日本は25位です。
ニュージーランドは男女の賃金格差がなく、管理職の女性の割合が多い、働く人に平等な国なのです。
また、最低時給も、14NZドル75セント(約1330円)で、採用した後にある程度の期間はトライアルというかたちで試用期間がありますが、その期間を過ぎると、よほどのことがない限り、解雇は出来ないといいます。
また、出生率も2.1と、若い人が増える環境にあり、中長期的に経済を支える大きな要因になります。
先進的な教育システムが国外から優秀な人材を引き寄せています。
そして、その優秀な人材が産業を生んでいるのです。
ネルソンにあるアマタイ・エコビレッジには10家族、40人が暮らしています。
彼らが使う電力は太陽光発電、生活用水は雨水をろ過して使っています。
ここの住民は自分の得意分野を生かし、自給自足型の生活を送っています。
アメリカの経済紙、フォーブスによると、ビジネスのし易い国ランキング(2014年)で、ニュージーランドは第3位です。
ちなみに、日本は26位です。
ニュージーランドでは、人を呼び寄せるだけではなく、育てることも大切な政策なのです。
なお、5月4日(月)放送の「ワールドビジネスサテライト」 (テレビ東京)は日本における起業がテーマの一つでした。
そこで、起業する時の手続きの数や必要な日数など、起業のし易さをもとに順位が付けられる世界起業環境ランキング(2014年度
出典:世界銀行)が以下のように取り上げられていました。
1位 ニュージーランド
2位 カナダ
6位 シンガポール
8位 香港
83位 日本
1位のニュージーランドではインターネットからの申請で1日あれば起業出来る環境といいます。
また、6位のシンガポールや8位の香港など、積極的に海外から企業を誘致する国が上位に位置しています。
このランキングから、ニュージーランドなど上位ランキング国に比べていかに日本政府の取り組みが不十分かが見て取れます。
2回にわたって、ニュージーランドの魅力についてお伝えしてきましたが、いくつかの世界ランキングからみる限り、明らかに日本よりも明確な方針に基づいた、とてもドラスティックで思い切った政策が政府により進められていると思います。
また、子ともや女性、シニア、企業、そして移住者にも優しい国を目指す背景には、人口の少なさをカバーする必要性が見て取れます。
同時に、どういうライフスタイルの人生を送るのかというしっかりした価値観も感じられます。
日本では、安倍政権により3本の矢、すなわち大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして民間投資を喚起する成長戦略が進められています。
しかし、その先に具体的にどのような社会を目指すのかというイメージがはっきりしません。
そういう意味で、ニュージーランドによるメリハリのある具体的な政策はとても参考になると思います。