2013年08月04日
No.2520 ちょっと一休み その395 『牛丼1杯に2000リットルの水が使われている!?』
たまたま見ていた5月17日(金)早朝放送のNHK総合テレビの番組でとても興味深いデータを取り上げていたのでご紹介します。
 
牛丼1杯作るのに2000リットルの水が使われているというのです。
まず動物の中でも牛は水を大量に飲みます。
それから、牛はとうもろこしなどの穀物を食べますが、その穀物を育てるのにも大量の水が使われます。
こういう見えない水を換算すると牛丼1杯作るのに2000リットルの水が必要だということになるのです。
 
この番組では牛丼の牛に着目して2000リットルの水が必要だとしていたので、牛丼に含まれるお米やネギなどの具まで含めたら何リットルの水が使われているのかという疑問が湧いてきます。
しかも、日本の食糧自給率はカロリーベースで39%(2010年度)といいますから日頃私たちの口にしている食料の4割程度は海外から輸入しているものです。
ですから、その分の水は海外の生産地で使われていることになります。
いずれにしても、私たち日本人が一日に食べる食料全体を作るのに使われている水は全体で5000リットル程度(1日3食として)になるのではと試算出来ます。
ここまで見てくると、では生活全般ではどうなるかという疑問が新たに湧いてきます。
顔や手を洗ったり、お風呂に入ったり、洗濯したり、食べた後の食器を洗ったり、まだまだいろいろな用途に水を使っています。
 
ところが、ふだんの暮らしで私たちは直接自分が使ったり飲んだりする水以外にこのように隠れたところで沢山の水を使っていることを意識しません。
でも、実際には私たち一人一人が毎日大量の水を消費しているのです。
 
既に多くの人たちが認めているように、地球資源には限りがあります。
そして、日本も含め先進国の人たちは食料品も水もエネルギーもほとんど不自由なく暮らしていると思います。
一方、世界中にはまだまだこのようなモノに不自由しながら暮らしている途上国の人たちが沢山いると報道されています。
でも、やがて途上国の人たちも先進国と同じレベルの暮らしに近づいていくはずです。
そして、そのことに対して先進国の人たちはそれを支援することはあっても阻止することはありません。
ですから、地球上の70億人の人たちが全て今の先進国の人たちと同レベルの暮らしをすることを前提に”持続可能な社会”の実現を目指すことが必要なのです。
そうでなければ、いずれ人類の生活は破綻してしまいます。
先進国には、このような”持続可能な社会”を実現するために必要な要件を満たすテクノロジーを開発し、ヒト・モノ・カネの観点から途上国の成長・発展を支援する義務と責任があるのです。

 
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