2013年03月04日
アイデアよもやま話 No.2389 地球が滅びる時!
だれでも地球の誕生や消滅について興味を持っていると思います。
そうした中、ケーブルテレビでは興味深いテーマのいろいろな科学番組が放映されていますが、先日「ホーキング博士のよくわかる宇宙ガイド 地球が滅びる時」が放送されていました。
そこで、今回は番組を通して地球が滅びる時、そして宇宙の終わりについてご紹介します。

以前から大陸は移動していると言われていますが、7500万年後には全ての大陸が南極で合体されるといいます。
ただし、それまでに地球の環境が一変し、人類をはじめとする生き物は滅びているかも知れません。
というのも将来地球にとって宇宙はかなり危険な場所になりそうだからです。

まず、地球の周りには無数の小惑星があります。
小惑星は太陽系が出来た当時から存在する小さな天体です。
天体の衝突によって地球が滅びるというのは映画の中だけの話ではありません。
中でも2004年に発見された小惑星「アポフィス」は100階建ての高層ビルと同じくらいの大きさ、重さはおよそ2千万トンです。
時速4万5千km、つまり弾丸の10倍のスピードで宇宙空間を飛んでおり、世界中の核兵器を一気に爆発させるのと同じくらいの破壊力を持っています。
正確な軌道はまだ分かっていません。
ところが、2029年4月13日には地球の上空3万7千km以内を通過すると予想されています。
人工衛星の軌道よりも低いところを飛ぶので世界中でパニックが起きるのではないかと思われますが、幸い「アポフィス」が地球にぶつかる可能性はほとんどありません。

ただし、もっと大きな脅威が残っています。
巨大な小惑星は何千個も存在しています。
中には長さ15km以上、マンハッタン島ほどの大きさのものもあります。
1億年に1回という頻度で地球に衝突しているのです。
およそ6500万年前に起きた前回の衝突は恐竜を絶滅に追いやったと考えられています。
いつになるか分かりませんが、今度大きな小惑星が衝突すれば生き物は全滅するかも知れません。
そうなれば50億年に及ぶ地球の命の歴史は終わりを告げることになってしまいます。

例え自然の驚異から逃れられたとしても私たち人類が自ら破滅を招く危険性もあります。
過去1万年にわたり人類は地球を支配してきました。
人類は知能を活かしてテクノロジーを発達させてきましたが、そのテクノロジーが私たちを滅ぼす危険性を持っています。
最も顕著な例は核兵器です。
1年以内に核戦争が起きる可能性はほとんどありません。
ところが、今後10万年間で計算すれば核戦争が起こる確率は10分の1に跳ね上がりますが、この予想すら楽観的過ぎるかも知れません。
核兵器の使用を思いとどまるだけの知性が人類にあるかどうか大変疑問です。

核戦争の恐怖が刻々と迫る中、宇宙でも不測の事態が起ころうとしています。
大きな力を秘めた天体が地球を破壊しようと狙っているかも知れないのです。
宇宙がこれからも絶えず変化するかぎり、星々は生まれては消えていきます。
宇宙には無数の星があるのでいつもどこかで超新星爆発が起きています。
銀河系ではおよそ50年に一度恒星が死んでいます。
長い目でみれば、超新星爆発によって地球が被害を受ける可能性があります。

冷戦の最中の1967年、アメリカの軍事衛星が強烈
なガンマ線の放射を検出しました。
ガンマ線は極めて危険な放射線の一種で、核実験の際に放出されることで知られます。
当初、ソ連の新型核兵器から放たれたものと思われましたが、その推測は間違いでした。
慎重にデータを分析した結果、アメリカ軍は大量のガンマ線が宇宙から放射されていたことに気付きました。

今でもガンマ線を放っていた正体は解明されていません。
ところが、有力な仮説ではそれは特殊な超新星爆発、ガンマ線バースターだとされています。
更に、身近な星でガンマ線バースターが起こりうるというのです。
巨大なプラズマの雲に覆われた地球から8千光年の恒星「WR104」です。

もし、予想が的中すれば「WR104」が死ぬ時、両極から2本の凄まじい量の放射線を放って爆発します。
星が崩壊しながら発するこれらの光線は太陽が一生の間に放出する量よりも多くのエネルギーが含まれています。
もし、「WR104」の放った光線が地球を直撃したら私たちは強烈な放射線にさらされることになります。
放射線はオーロラを発生させながら大気中のオゾン層を破壊するので有害な日光が地上に直接当たるようになります。

4億5千万年前、地球では半分以上の生き物が死滅する大量絶滅が起きました。
一説では、ガンマ線バースターの放射線が地球を直撃したため生態系が破壊されたとされています。  

以前、ホーキング博士が日本で講演をした時、株価に影響が出てはいけないので宇宙の終わりについては触れないように、と言われたといいます。
いつ宇宙が終わるかは分かりませんが、株価のことを心配した人はちょっと気が早すぎる、とホーキング博士はおっしゃいます。
私たちの宇宙は137億歳ですが、まだまだ若いのです。
ホーキング博士など宇宙論者の予想では、宇宙が終わるのは早くても300億年後といいます。

それまでには、いろいろなことが起こります。
太陽が死んだ後には新たな恒星が生まれるはずです。
いくつかの星は私たち人間を作っていた原子で出来た惑星を持つかも知れません。
あるいは、どこかの星で生態系が生まれ、私たちがその一部になる可能性もあります。
どちらにしても、私たちの体を作っている粒子はいつまでも体内に留まるわけではありません。
いずれは新しいものへと受け継がれ、未来の宇宙をかたち作っていくのです。

勿論、引力はこれからも絶え間なく働き続けるので、これまでと同様に銀河は蜘蛛の巣のように広がっていきます。
スーパーコンピューターを使えば、今後引力が銀河どうしをどのように引き寄せ合い、やがて衝突させるのかをシミュレーション出来ます。
私たちの銀河系はおよそ30億年後に隣のアンドロメダ銀河と衝突し、やがて二つの銀河は20億年をかけてゆっくりと合体していくとみられています。
同じことが宇宙のいたるところで起きています。
いくつもの銀河がぶつかり合っては新たな銀河を作っているのです。
大規模な衝突が起こると無数の星が惹きつけ合って大きな渦を描きながらダンスをします。
引力による回転運動はビッグバンの直後から絶えず続けられてきました。

では、この回転運動は無限に続くのでしょうか。
この壮大な疑問について、そのカギはビッグバンにあるとホーキング博士はみています。
最初に宇宙を膨張させたものが何だったのか、この謎が解け、ビッグバンの仕組みが明らかになった時、宇宙の運命も分かると考えられています。
全てのカギを握るのはダークエネルギーなのです。
引力がモノをくっつけようとするのに対し、ダークエネルギーはモノを引き離す方向に働きます。
ダークエネルギーが宇宙を膨張させていると言われますが、そのメカニズムはまだ分かっていません。
でも、ダークエネルギーの変化に宇宙の運命がかかっていることは確かなのです。
もし今後、ダークエネルギーが徐々に弱まれば、やがては引力の方が強くなり、200億年後には宇宙は収縮に転じ、全てのモノは最初の状態に戻るのです。
ビッグバンと正反対の現象が起きて、宇宙は潰れるというのです。
ビッグクランチと呼ばれる現象です。
もし、この説が正しければ、今から300億年後には宇宙に存在する全てのモノは一つのブラックホールに飲み込まれるのです。
最後に全宇宙は小さな一点に集約され、ビッグバンと同じ状態になるのです。

華々しい結末ですが、ホーキング博士は現在と同じように将来もダークエネルギーが宇宙を膨張させ続けるのではないかと考えています。
全てのモノは永遠にバラバラになり続けるのです。
宇宙に散らばる全ての恒星は燃料を使い果たし、次々と燃え尽きます。
やがて全ての銀河はダンスを止め、引力は弱まっていくのです。
その結果、ダークエネルギーは増々強くなり、遂には宇宙に存在する全ての粒子が互いにあまりにも離れすぎて何も残らない状態になります。
つまり、宇宙は最後に超高温のビッグクランチではなく、冷たくて暗いビッグチルを迎えるだろうというのがホーキング博士の予想です。

このように、宇宙の結末については、一つのブラックホールに飲み込まれる、あるいは宇宙に存在する全ての粒子が互いにあまりにも離れすぎて何も残らない、という全く正反対の考え方があるようです。
それにしても、ホーキング博士のような科学者はどこまで想像力が豊かなのでしょうか。
常人である私には、なぜこのようなことが考えられるのかそのプロセスが全く理解出来ません。

さて、ここまで地球が滅びる時、そして宇宙の終わりについてホーキング博士の考えるところをお伝えしてきましたが、地球の滅びる原因には以下の5つがあるように思います。
1.世界規模の核戦争
 最近では、北朝鮮が3回目の核実験に成功し、今後も実験を続ける方針といい、その成果を有効な外交カードとして使うのでは言われています。
2.地球温暖化による環境破壊
 環境破壊によりどのような影響があるか分かりませんが、人類のみならず生物全体の生存に影響を与える可能性を拭えません。
3.巨大隕石や惑星の衝突
 今月15日、突如ロシア中部に隕石が落下し、負傷者は千人以上、広範囲にわたる建物が被害を受けました。
 将来的には、もっと大きな隕石の落下、あるいは惑星が衝突する可能性を地球は持ち続けるのです。
 その結果次第では、ほとんどの生物が死滅してしまうほどの影響が予測されています。
4.ガンマ線バースターの放射線
5.宇宙人襲来

1.核戦争と2.環境破壊は人為的なもので、人間次第で防ぐことが出来るのです。
ところが、3.惑星衝突 以降は地球外に起因しているので、現状ではなすがままに近い状態で終わってしまう可能性があります。
でも、テクノロジーの進歩により打開する方法があるはずです。
次回は、その解決策についてお伝えします。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています