2013年01月17日
アイデアよもやま話 No.2350 日本国債発行に求められる財政の持続可能性!
最近、国債という言葉が国内のみならず世界的に注目を浴びております
そうした中、昨年12月23日(日)放送の「NHKスペシャル」(NHK総合テレビ)のテーマが「日本国債」でしたのでご紹介します。

国が資金を調達するために発行している日本国債、社会保障や公共サービスなど私たちの暮らしは国債、いわば借金によって支えられています。
今、国の債務は1000兆円を超えようとしています。
そのうち700兆円が国債、国の予算の8年分に相当します。
そして、そのための利子の支払いだけでも年間10兆円にのぼります。

バブル崩壊後、日本経済は低迷、人口は減り始め、企業も活力を失っています。
そのため、税収の伸び悩みが続いています。
一方で、かつてない勢いで高齢化が進み社会保障費は増大、歳出は増え続けています。
その差はワニの口のように広がっています。
そこを埋めているのが日本国債なのです。
ですから、国債がなければ日本経済は立ちゆかなくなります。
ところが、その大量発行は財政悪化につながります。
景気回復と財政立て直し、両立の難しい課題を前に日本国債の重みが増しています。

国債の発行を担当するのは財務省です。
必要な財源を確保するため週に一回入札を行い、多い時には一度に2兆円を超える資金を調達しています。
そして、国債は主に国内の金融機関が購入しています。

今年度の国家予算はおよそ90兆円、それを賄う税収は半分ほどしか見込めません。
そのため足りない44兆円は国債を発行しています。
税収不足を穴埋めする赤字国債の発行は本来財政法で禁じられています。
政府が際限なく借金を重ねることを防ぐためです。
そこで、政府は1年限りの特別な法律、特例公債法をつくりほぼ40年間赤字国債を発行し続けてきました。
こうして国債を大量に発行し続けることが出来てきたのは、資金力のある国内の金融機関が最大の買い手となっているからです。

国債のリスクに対して、破綻が100%ないという見方と国債の暴落は待ったなしという大きく2つの見方に分かれています。
こうした日本国債を投機の対象にしようとする人たちが現れています。
国債の価格の急落によって巨額の利益をもくろむヘッジファンドです。
何年も前から日本の借金は返済出来ないレベルにあると考えているのです。
確かに、一般の家庭に当てはめて考えると、毎年収入と同じだけ借金をしての生活ではいずれ破綻してしまうのは明らかです。

国債は国内の金融機関と日銀が合わせて75%保有しています。
そのうち、金融機関のお金となっているのは企業や家計です。
それらが潤沢にあるため今は買い支えることが出来ています。
でも、将来企業の蓄えが減るとそのバランスが崩れかねません。
更に、少子高齢化が進んでいけば私たちの家計も国債を買い支える力が弱まっていきます。

一方で、日本の国債が買われる背景には、対外純資産265兆円(2011年末)があります。
そうは言うものの、国債はこのようにとても危うい状態に来ているのです。
そして、もし何かがきっかけで国債が大暴落すれば金利が急上昇し、その結果として国債の利子も増えて国全体がにっちもさっちも行かなくなってしまいます。

日本の中央銀行、日銀は大量の国債の買い入れを続けています。
国債の買い入れは景気を下支えするため金融緩和の柱です。
物価の安定を使命とする日銀にとって、今最大の課題、それはモノの値段が下がり続け、経済が縮小するデフレから抜け出すことです。
ですから、日銀はデフレ脱却に向け今まで以上に更に踏み込んだ対応を模索しています。
ところが、副作用の恐れがあるため慎重にならざるを得ないとしています。
現在、日銀が民間に供給している中央銀行のお金の量のGDPに対する比率は先進国の中で最大で、この状態が財政の規律が緩み、財政のバランス悪化や急激な物価上昇という副作用をもたらす可能性があるのです。
そうなると、日本の通貨、円の信用が損なわれる恐れがあると考えています。

さて、安倍新政権では10年以上続いているデフレから脱却していくためには大胆な金融緩和が絶対に必要と考えています。
日銀が国債の買い入れなどでこれまで以上に資金を供給すれば、円安で株価が上昇、景気回復への期待が高まります。
それに合わせて、公共事業や規制緩和などを進めます。
民間の投資や消費が活発になり、やがてデフレから脱却、税収が増え、国の借金も減っていく、というシナリオです。
こうした大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略、この3本の矢で経済政策を力強く進めるとしているのです。

ですから、この経済政策のキーポイントは経済の活性化です。
もし、経済の活性化が不発に終われば、一部で危惧されているように莫大な借金が更に膨らむだけで、今まで以上に悪い財政状態を迎えてしまうことになるのです。
ですから、産官学一体となってこのような状況であることをしっかりと認識して経済の活性化に取り組む必要があるのです。

私は、経済の専門家ではありませんから細かい分析は出来ません。
でも、マクロ的にみてエネルギーと国家財政には共通点があると思います。
それは、持続可能であることの必要性です。
どちらもインプット(発電量、あるいは税収)とアウトプット(電力消費量、あるいは支出)のバランスが崩れればそのままの状態を持続することは出来なくなり、インプットを増やすか、アウトプットを減らすかしないといずれ破綻してしまいます。
要するに、現在を生きている私たち、日本国民は次の世代以降の国民に負の遺産を引き継ぐことになってしまうのです。
ですから、経済について言えば、より多くの人たちが欲しくなるような商品を沢山生み出し続けることが必要なのです。
そして、その主体となるのはあくまでも企業です。
企業がいろいろなアイデアを繰り出して次々に競争力のある素晴らしい商品を生みだし、それを国や大学などの研究機関が支援するのです。
勿論、可能な限り再生可能なエネルギーや原料をを使って生産したり、輸送することが必要です。
このことを忘れてしまっては、必ずどこかに不具合が生じてしまうのです。

 
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