2012年12月25日
アイデアよもやま話 No.2330 厳しすぎる食品の賞味期限の「3分の1ルール」!
11月20日(火)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)食品の賞味期限の「3分の1ルール」について取り上げていましたのでご紹介します。

「3分の1ルール」とは、メーカーや卸業者が自主規制で進めている商習慣で、
メーカーや卸業者が賞味期限の3分の1が過ぎる前に小売店に納品することです。
例えば、賞味期限が6ヶ月なら2ヶ月以内に小売店に納品しなければなりません。
また、小売店でも賞味期限の3分の2を超えた商品は店頭から撤去し、メーカーや卸業者に返品し、返品された加工食品の多くは廃棄されるのです。
ちなみに、返品される加工食品の返品額(2010年度)は1,556億円といいます。
こうした商習慣を見直そうという取り組み「食品ロス削減のための商習慣検討ワーキングチーム」が10月農林水産省の主導で始まりました。

一方、「3分の1ルール」を逆手に取ってビジネスに結びつける企業があります。
伊藤忠食品株式会社では、2008年に流通できない在庫品をマッチングするサイトEco-モッタイナイ.comを立ち上げました。
メーカーや卸業者が出品者となり小売業者が購入者となってこのサイト上で商談が行えます。
購入者は賞味期限が間近などのワケあり商品を通常の卸値よりも安く購入出来るのがメリットです。

また、都内のあるスーパーでは賞味期限そのものの見直しが行われています。
例えば、プライベートブランドのレトルトパック詰めごはんの賞味期限を8ヶ月から10ヶ月へ、そしてミネラルウオーターは2年から3年へという具合です。
背景には、東日本大震災以降消費者の鮮度に対する意識の変化があります。
賞味期限が長いと家庭で備蓄でき、いざという時に役立つということです。
また、賞味期限はこれまで食品メーカーが従来品を基準に決めていましたが、最近の生産技術の向上で更なる延長が可能になったといいます。

要するに、賞味期限に関しては賞味期限を出来るだけ長くする技術、妥当な賞味期限の設定、そして設定された妥当な賞味期限に沿った運用が求められるのです。
賞味期限が6ヶ月なら4ヶ月以内に返品されるという運用はまだしも、賞味期限3年の加工食品が2年以内に返品されるというのは常識的に厳しすぎると思います。
例えば、賞味期限が1年以上の加工食品は賞味期限の3分の2、または6ヶ月のいずれかより短い期間に返品する、というようなルールに変更すべきなのです。
現在のような厳しい賞味期限のために多くの加工食品が廃棄されるというのはまさしく”もったいない”です。

 
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