2012年11月18日
No.2298 ちょっと一休み その358 『人類も食物連鎖の一構成要素』
神奈川県の鎌倉にある天園ハイキングコースにはよく出かけます。
ほどほどに整備されており、いろいろな景色の変化も楽しめるからです。
このハイキングコースの途中、覚園寺方面と反対側に下る道を経て5分ほど歩いたところに散在ガ池森林公園があります。
この公園は周辺住民の憩いの森として、また鎌倉の自然の仕組みを理解する場所として整備されたものです。
こちらの歩道コースは起伏に富んでおり、池や小川もあってゆったり歩いて1時間ほどの、とても自然を楽しめる公園です。
また、歩道コースのあちこちには立て看板があり自然に関するいろいろなことが分かり易く解説されています。

さて、今回ご紹介したいのはそれらの解説の中から食物連鎖についてです。
以下はその解説の全文の転載です。
 
この辺りではジョロウグモがよく巣をはっています。花を訪れる昆虫を捕らえようとしているのです。でもクモたちも鳥のエサになります。
このように生物は食べたり、食べられたりする関係を持っていて、その一連の関係を食物連鎖とよんでいます。
これは一見残酷なようですが、決してそうではありません。昆虫の卵が全部親になることをくりかえしていたら、またたく間に膨大な数になり、エサを食べ尽くし、その種類は滅びてしまうでしょう。
しかし、実際にはそんなことはありません。昆虫がたくさんの卵を生んでも、卵や幼虫は大部分がクモや鳥のエサとなり、成虫になるのはほんの一部分にすぎません。
このように、自然界では生物同士が食べたり食べられたりして、お互いに数のバランスを保っているのです。時々昆虫類などの大発生が起こっていますが、それは人間社会に近い所です。
天敵(捕食者)がいろいろな社会的影響などで住めなくなったり、減ってしまったりしていることが多いからです。

食物連鎖についてはこれまで何となく理解していたつもりですが、
この解説文を読んであらためて人と他の生物との係わりについて考えさせられました。
また、人にとっての天敵がいないことにも気付かされました。
客観的にみれば、人類は地球上に君臨する王者的な存在なのです。
それを物語っているのは、世界人口予測です。
現在の世界人口は約70億人ですが、2050年には90億人を超えると予測されています。
これは、人の天敵がいないので人口増の自然な抑制力が働かないからです。
ですから、人類の人口を抑制するのは人類自らのコントロールしかないのです。
このコントロールが効かなくなると食糧不足、あるいはエネルギー不足に至ります。
その先に見えるのは、限りある資源の範囲内に抑えた人口にコントロールするか、あるいは自国民の生活を維持していくための食料や燃料の世界的な争奪戦です。
どちらの道に進むか、そのカギを握っているのは人類の英知なのです。
また、No.2262 ちょっと一休み その352 『人類が消えても地球に影響ない、でも・・・』でもお伝えしたように、人類による環境破壊が進んで、もし地球上の全ての昆虫がいなくなったら50年で全生物が絶滅するとも言われています。

人類はこれまでその英知によりアイデアを駆使していろいろな技術を開発し、食料やエネルギーを開拓してきました。
その結果、利便性を高め、また寿命が伸びたことにより人口増をもたらしました。
ところが、地球資源が有限であることから、現在地球上の様々なところに歪みが現れてきています。
食物連鎖崩壊のリスクもその一つなのです。
本来、食物連鎖は長い年月をかけてうまく機能するはずなのですが、人類の活動による森林崩壊、あるいは砂漠化などで生態系がおかしくなりつつあるのです。
ですから、人類は自らも食物連鎖の一構成要素であることを強く自覚し、地球上の住民としてそれに相応しい行いをすべきなのです。

 
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