2012年10月24日
アイデアよもやま話 No.2277 日中の経済関係にみる両国の友好維持の必要性!
今、尖閣諸島の東京都による購入発表、およびその後の日本政府による国有化の決定を契機に、尖閣諸島をめぐり日中間系は今も予断を許しません。
一方で今や、日本の中国への経済依存の度合いは以下のように大変深まっています。 
・日本の輸出入額に占める中国のシェアの推移は1980年代からほぼ一貫して増加しており、今や下降傾向にあるアメリカを抜き1位で輸出入とも25%前後である
・日本の対中直接投資は、2011年には前年比約50%と急増しており、金額ベースでも香港、台湾に次いで3位である
 日本の一部上場企業の6割が中国に進出している
 一方で、世界経済に対する不安が広がって、ドイツを除く欧米諸国は対中投資を減らしている

ですから、今回のような日中間系の悪化により日本企業の中国における企業活動が停滞すると国際的なサプライチェーンを通じて多くの国々の経済活動にも悪影響を及ぼしかねません。
また、これだけ日中の経済依存関係が深まっているのですから、万一日本企業の中国からの撤退、あるいは相互の輸出入量が大幅に減少すれば、日中両国の国民に与える影響は計り知れません。
そして、中国国民のその不満の矛先が今後とも継続的に日本に向けられれば紛争にまで発展しかねません。
ちなみに、ある調査によれば、中国国民のほぼ半数は今回の問題を契機に日中は戦争に突入する可能性があるといいます。
そのような最悪な事態は絶対に避けなければなりません。

確かに、過去の歴史において日本は国家防衛のためとは言え中国侵攻により中国国民に多大な犠牲を強いた、という事実があります。
でも、過去の歴史を遡っていけば、鎌倉時代には元寇による日本侵攻もありました。 
一方で、日本は漢字や仏教、儒教などを通して精神的にも技術的にも中国より多大な影響を受けており、それが日本国の発展に大きく寄与してきました。
ですから、長い歴史の中でみれば、中国は日本の大恩人なのです。
辛亥革命の折には、一部の日本人が陰ながらいろいろなかたちで孫文、および革命軍に支援の手を差しのべました。
また、現在の中国の経済発展の陰には多くの日本企業による技術支援があります。
そして、現在では、パナソニックだけでも中国国内の拠点100以上、従業員数10万人以上といいます。
今や日本企業はすっかり中国内に根付いているのです。

このような歴史的に深いつながりを持った日中関係を尖閣諸島問題というたった一つの問題で全てをご破算にしてしまうことは、長い歴史の中でみれば日中両政府にとって大変な大失態になります。
ですから、大局的見地に立った判断や決断が日中両政府に求められるのです。
また、一部の暴徒化した中国国民には良識のある行動を取っていただきたいと思います。
この点について、良識ある一部の中国国民は悲嘆しているようです。

何度かお伝えしてきたようにアイデアは存在し、見つけるものなのです。
ですから、今回の問題も日中両政府が日中両国の繁栄という大目標達成のために”日中友好”を旗印に最後まで諦めずに知恵を絞れば、解決策は必ず見つけることが出来るのです。
それは、今回の問題よりもはるかにハードルが高かったと言われる1972年の日中国交正常化交渉における日中両政府の高度な政治判断による取り組みでも証明されています。
日中両政府が双方で相手を責め立てるのではなく、課題型解決策に方向転換すればいいのです。
そうすれば、世界的な経済発展、および世界平和への貢献にもつながるのです。

 
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