2011年07月15日
アイデアよもやま話 No.1877 ぶつからないクルマの進化!
「ぶつからないクルマ」については、プロジェクト管理と日常生活 No.165 『10万円で出来る「ぶつからないクルマ」』でご紹介しました。
6月10日(金)放送のワールドビジネスサテライト (テレビ東京)で、更に進化した”ぶつからない”技術について取り上げていましたのでご紹介します。

日産自動車では、時速60kmからの自動ブレーキを開発中です。
前方の動いている障害物でもレーダーで検知すると、まずアクセルを自動的に戻して警告し、それでもドライバーが止まらないと自動的にブレーキをかける、という仕組みです。
更に、バックの自動ブレーキも開発中、といいます。
駐車場からバックでクルマを出すことを想定し、ドライバーが後ろのクルマに気付かなくても自動的にブレーキがかかるのです。
ちなみに、バックの自動ブレーキ・システムの付いているクルマは世界でもまだ実用化されていません。
現在は、この精度を高める開発段階で、実際の街中でどれだけ正確に作動するか、様々な想定をして研究が続けられており、2〜3年後の商品化を目指しています。

更に、自動車メーカーはクルマとクルマとを通信で結ぶことで衝突を回避する技術を開発中です。
見えないクルマが来ることを教えるのは、クルマ単独でカメラやレーダーが付いていても出来ないからです。
それが、通信を使うことにより出来るようになるのです。
自分のクルマの位置・時間・速度のデータを車内で計算し、このまま行くとこのクルマは大丈夫だけどこっちのクルマは危ない、と知らせてくれるのです。
そして、相手のクルマが死角であってもぶつかる前に警告してくれます。
でも、課題もあります。
クルマとクルマの通信をするには、クルマ専用の通信機が必要で、普及しないと価格が高くなってしまうのです。
日産自動車によれば、この通信機の実用化は2015年とみています。

また、クルマと通信、そして事故防止の技術は新たな用途を生み出しています。
ホンダの交通情報サービス「インターナビ」は会員制で130万人が登録されています。
様々なサービスを受ける一方で、クルマの走行データをホンダのデーター・センターに携帯電話の3G回線を通じて送信します。
走行データには、緯度、経度、減速度(ブレーキ)、日時、速度などが含まれます。

栃木県小山市役所では警察との協業により、こうした走行データを使って一番急ブレーキの多い交差点での安全対策を検討しました。
そして、右折レーンをつぶし、幅広のゼブラゾーンを設定することにしました。
なお、この種の対策で実績のある埼玉県では、急ブレーキの発生率が7割減った、といいます。

全てのクルマのみならずオートバイなどにも通信機能を持たせるようになれば、衝突事故は格段に削減されるはずです。
クルマなどに通信機能を持たせることにより、新たに様々な機能やサービスが生まれてくる可能性もあるのです。
ただし、走行ルートなどのデータがデータセンターに集められますので個人情報としての管理体制も求められます。 

 
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