2011年05月24日
アイデアよもやま話 No.1832 岡本太郎作『太陽の塔』の持つすごいパワー!
今年は岡本太郎の生誕100年、ということでテレビ番組でもいろいろと取り上げられています。
そうした中で、美の巨人たち(テレビ東京)で4月23日、4月30日と2回にわたって岡本太郎の作品が取り上げられていました。
その中から、『太陽の塔』にまつわるところについてご紹介します。

『太陽の塔』は、1970年の日本万国博覧会のお祭広場にテーマ館として作られた、鉄骨、鉄筋コンクリート製の史上最大級の造形物です。
高さ70m、広げた両腕の長さは25m、直径は最も太い下の部分で20mもあります。
この塔の一番上には「黄金の顔」、お腹の部分には「太陽の顔」、そして塔の背中には「黒い太陽」と、1本の塔に3つの顔があります。
これは、彫刻なのか、それとも建築物なのか、今でもこの言葉がふさわしいのです。
土偶のような、こけしのお化けのような、怪獣のような、まさに『何だこれは?』です。

さて、大阪万博で建てられた施設やパビリオンは本来仮設の建築物でした。
もちろん、『太陽の塔』も例外ではありません。
ですから、閉幕後に全て壊される運命にあったのです。
ところが、一つだけ残ったのです。
どうしてなのでしょうか。

これについて、岡本太郎記念館の平野暁臣館長は番組の中で次のようにおっしゃっていました。
「役所の手続き上の記録は残っていますが、根本の部分は分からないのです。」
「つまり、『太陽の塔』をなぜ残さねばならなかったのか、客観的合理的な理由はないんです。」
『太陽の塔』は何を表しているのか分からない、何のために建っているのかも分からない、だけど残った。
「僕は、恐らくあの『太陽の塔』を見た時、日本人は何か聖的なもの、神像、仏像のようなものに見えたんじゃないかと思います。

もしかしたら、「『太陽の塔』が神聖に見え、怖くて壊せなかったのかも知れません。
芸術はアイデアの塊のようなものですが、岡本太郎の作品、『太陽の塔』は人々の心の奥底に深く訴えたわけです。

岡本太郎の生前の言葉「芸術は爆発だ。」はとても有名ですが、「アイデアは爆発だ。」と言い換えてもいいのでは、と思います。
とてつもないアイデアは、人々にある種の感動を与えるのです。

現在、日本は東日本大震災、および福島第一原発事故による被災対応、および復興策の方向性をめぐって動き出しているところです。
是非、後世の日本国民、あるいは世界の国々に感動を与えるようなアイデアで復興を成し遂げていただきたい、と思います。
あるいは、そんな一部の人に任せてしまう他人任せではなく、多くの国民が自らいろいろと考えて積極的に動き出せば、きっと感動的な素晴らしい成果に結びつくと大いに期待出来ます。

 
TrackBackURL : ボットからトラックバックURLを保護しています