2010年05月25日
アイデアよもやま話 No.1520 改造EVの事業化に向けた「スモールハンドレッド協会」が6月に設立!
今まで電気自動車(EV)については何度となくお伝えしてきましたが、そのほとんどは新車のEVについてでした。
今回は改造EVの状況についてお伝えします。

中国では、既にガソリン車をEVに改造する業者が雨後のタケノコのごとく次々に出現しているそうですが、ネット・ニュースによると、日本でも
6月に改造EVの事業化に向けた「スモールハンドレッド協会」が設立されるそうです。
東京大学総長室アドバイザーの村沢義久さんは「EVの本格普及には、既存のガソリン車をEV化するしかない」と指摘しています。
村沢教授らは、6月に改造EVの事業化に向けた「スモールハンドレッド協会」を設立し、車両整備業者やガソリンスタンド、機械部品メーカーなどのEV事業への参入を後押ししたい考えです。
そして、政府に改造費用の補助金制度の適用も求めていく方針で、来年度中に1000台をEVに改造し、早期に1万台規模にまで引き上げる計画です。

その背景には、以下のようことがあると考えられます。
・新車EVが高価格である
 iMiEV(三菱自動車)やリーフ(日産自動車)は補助金を受けても300万円近くする
・新車EVの種類が少なく、今ガソリン車として乗っている車をEVとしてもそのまま乗り継ぎたい、という潜在需要がある

確かに、日本の自動車メーカーの見通しによれば、2020年でもハイブリッド車、EVの両方を足した割合は全体の5〜10%程度でしかありません。
その大きな理由は、2020年までにモデルチェンジの機会が1、2回しかないことです。

ですから、大幅なCO2排出量削減を目指してEVの早期普及拡大のためには、既存メーカーとは別な企業によるEV進出が必要なのです。
新車EVメーカーとしては、何度かお伝えしてきたシムドライブ、およびシムドライブからの技術供与をベースにEV生産に乗り出している企業群があります。
そして、今回ご紹介している「スモールハンドレッド協会」が進めようとしているガソリン車の改造によるEV普及の動きがあります。

これらの動きと並行して、EV用バッテリー・メーカーによるバッテリーの性能向上、および低価格化が進めば全体としてフル充電での航続距離が長くて低価格のEVが順次市販化されていくはずです。
そうすれば、2020年には、既存メーカーの見通し以上にEV普及が広がり、海外輸出も増加し、結果として日本の経済成長につながり、世界的なCO2排出量削減にも貢献出来る、というようになるわけです。
是非、このような望ましい方向に全体として動き出して欲しいと思っています。

 
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