その後、4月18日(日)付け読売新聞の朝刊記事でも取り上げられていました。
ウナギの大好きな私にとって朗報ですのでご紹介します。
ニホンウナギの稚魚シラスウナギの漁獲量が今年2月末時点で昨年の10分の1に激減していることが水産庁のまとめでわかりました。
すでに価格にも影響が出始めました。
ウナギ問屋によると、かば焼き店への卸価格は、昨秋は国産の養殖ものが1匹520円前後でしたが、現在は570円に、中国産も470円前後から520円前後に上がっている、ということです。
乱獲による資源枯渇も一因と見られており、近い将来、ワシントン条約で規制対象となる日が来る可能性がある、とみられています。
そうした中で、世界で初めて人工孵化させたウナギから取りだした卵と精子から第二世代の卵を孵化させる”完全養殖”に成功した、と独立行政法人、水産総合研究センターが発表しました。
その陰には、東京大学大気海洋研究所の塚本勝巳教授による研究成果がありました。
塚本教授は、ニホンウナギが育つ環境を突き止めたのです。
ところが、成魚の海での産卵の様子や卵が孵化する環境などはほとんど未解明です。
塚本教授は、3年前から成魚にタグを付けて放流する追跡調査を行っています。
完全養殖の道が開けたことで、天然のウナギの保護につながる、とされていますが、まだエサや水質管理などに費用がかかり過ぎて商用的には成り立ちません。
今後は、実用化に向け、完全養殖したウナギの安全性や量産化について研究していく、とのことです。
マグロもウナギも乱獲が原因で漁獲量がどんどん減ってきている、というわけです。
このまま放置しておけば、途上国の経済成長とともに食糧事情の改善が図られ、更なる乱獲は避けられません。
しかも、マグロもウナギも日本人が主要消費国なのです。
ですから、日本は率先してこれらの完全養殖に取り組む義務がる、と考えなければいけません。
そういう意味で、今回のウナギの完全養殖への道が拓けた、ということはマグロ同様に大量消費国、日本の義務を果たす新たな一歩、と言えると思います。