2009年08月21日
アイデアよもやま話 No.1283 ダチョウが人類を救う?
8月20日(木)のマスコミ報道によると、今年の真夏の沖縄だけで新型インフルエンザの感染者が2万人に激増したそうです。
これほどの速いスピードで感染が広がるとは、やはりインフルエンザ恐るべし、です。
これから新学期が始まりますが、はやく流行が沈静化されることを願うばかりです。
7月30日(木)
放送の
ワールドビジネスサテライト (テレビ東京)
で「ダチョウが人類を救う?」をテーマに取り上げていましたが、
ダチョウがインフルエンザ対策に大いに貢献する、ということですのでご紹介します。

京都府立大学の塚本康浩教授は、10年前からダチョウの研究に取り組んでいます。
ちなみに、ダチョウは人類誕生の頃から存在している鳥で、寿命はおよそ60年です。
塚本教授はこのダチョウが人類の救世主になる可能性がある、とおっしゃっています。
ダチョウに無毒化したインフルエンザウイルスを注射して抗体を作ります。
抗体とは、ウイルスなどの異物が体内に侵入するとそれに反応して出来る物質で、進入したウイルスと結合することでのその動きを不活性化させます。
つまり抗体を持てば、人は病気などから体を守ることが出来るのです。
実は、ダチョウは驚異的な免疫力を持っており、怪我をしても傷の直りが速いのです。
そこで、塚本教授はこのダチョウで抗体を大量生産出来ないかと考えました。
インフルエンザの抗体は卵黄に多く含まれるので、ウイルスを注射した卵黄から取り出します。
こうして取り出した抗体をマスクに染み込ませるとウイルスを不活性化させ体内に入り込むのを防ぐことが出来ます。
通常、インフルエンザなどの抗体は、ウサギや鶏などから作られますが、1g以下しか出来ません。
ところが、ダチョウの卵1個から作られる抗体は4gでマスク8万枚です。
しかも、ダチョウの抗体の製造原価は1g10万円で鶏のおよそ30分の1なのです。
そして、塚本教授は「抗体は日本の全国民に行き渡るほどあります。」とおっしゃっています。
富士フイルムでは、塚本教授と共同でダチョウ抗体フィルターを開発し、昨年空間清浄機を発売しました。
また、実験により新型インフルエンザウイルスを99.9%無毒化する効果が確認されました。
そこで、富士フイルムは、産業用空間清浄機への展開を狙っています。

それにしてもダチョウとインフルエンザ対策の組み合わせは以外です。
確か、中学生の時に観た映画では、宇宙から飛来して人類を襲った植物は、海水を浴びせられて消滅する、という結末でした。
いずれにしても、これからも発生する新たなインフルエンザウイルスに対してダチョウから作られる抗体に効果があれば、人類にとってまさしくダチョウは救世主なのです。

 
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