2009年07月14日
アイデアよもやま話 No.1250 いろいろな味が簡単に作れてしまう!
6月27日(土)放送の世界一受けたい授業(日本テレビ)でテーマの一つは「最先端科学で解明!味覚のナゾ」でした。
複数の種類の食べ物を混ぜ合わせると、別な食べ物の味に変わってしまう、というとても面白い内容でしたのでご紹介します。

例えば、アボガドとしょう油を混ぜ合わせるとトロの味に変わってしまうのです。
また、ホットミルクにたくわんを入れるとコーンスープの味に変わってしまうのです。
また、麦茶 3、牛乳 10の割合に砂糖を混ぜ合わせるとコーヒー牛乳の味に変わってしまうのです。
実際にこれについて試してみたら、なるほどコーヒー牛乳の味がしました。
目をつぶったまま飲んだら、このようにして作られた、とは分からないと思います。
番組では、この他にもいくつかの組み合わせが取り上げられていました。
なぜ、このように別な味に変わってしまうのか、その仕掛けは、味という曖昧な感覚を目に見えるようにした機械、味覚センサーにあるのです。
味覚センサーは、食べ物を次の5つ味覚項目ごとに数値化しているのです。
・甘味
・うま味
・コク
・苦味
・塩味
ちなみに、この味覚センサーを発明したのは、九州大学大学院の都甲潔先生です。
例えば、トロ、そしてアボガドとしょう油を混ぜ合わせたものとを味覚センサーで数値化すると、ほとんど同じ値なのです。
これは大変な驚きです。
味覚センサーでいろいろな食べ物を数値化したデータを保存しておけば、論理的には、複数の食べ物のいろいろな組み合わせと単品の食べ物のデータとを比べることにより、ある食べ物の味を別な食べ物の組み合わせで作ることが出来てしまうのです。
しかも、その味は5つの味覚項目ごとに微妙な調整も出来てしまいます。
ですから、以前から”カニもどき”などの擬似食品が商品化されていますが、味覚センサーを使えばより効率的に味を作れるのです。
また、新たにいろいろな”もどき食品”の開発も出来るようになってしまいます。
更には、今までにない味の誕生も可能になるのです。
ちょっと味気ない気もしますが、技術の発達により食べ物の味も数値化によりコントロール出来てしまう時代になったのです。

今まで何度もお伝えしてきましたように、アイデアは既存の要素の組み合わせです。
ですので、味覚センサーは、新たな味を作るアイデアを生み出す機械、と言えるのです。

 
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